ロジスティクスバンダイナムコホールディングスのグループ会社で玩具の中間流通大手、ハピネット(東京都台東区)は11日、昨年度の同社のサステナビリティに関する取り組みを、「ハピネット サステナビリティサイト」で公開したと発表した。同サイトではステークホルダー向けに、社員の活動やESGに関するデータも掲載している。
今回の紹介では「特集」として、人手不足や環境負荷の課題に対応するため大規模なリニューアルを実施した「ハピネット市川ロジスティクスセンター」(千葉県市川市)」を取り上げた。
市川ロジスティクスセンターは、同社グループが扱う玩具やゲーム商材の入出荷を担う主要拠点で、2001年の稼働開始当初は最新設備を備えた中核拠点として機能していたが、設備の老朽化が進み、故障頻度の増加や部品調達の難しさといった運用リスクが生じていた。
さらに近年、物流業界全体で人手不足が深刻化し、物流拠点が集中する地域では人材確保が難しくなった。このため、作業の自動化や省人化を進めるとともに、環境負荷の低減やBCP(事業継続計画)への対応力を高めようとリニューアルを実施。昨年9月から稼働を開始した。
リニューアルでは自動倉庫と自動仕分け機、無人搬送ロボット(AGV)の3つの先進設備を導入した。

▲3つの先進機器を導入した市川ロジスティクスセンター(出所:ハピネット)
自動倉庫の「ファインストッカー」は、コンテナや段ボールケースをシャトル台車やクレーンで自動搬送し、保管や出庫を行うシステムで、高さ5.5メートルの設備に、最大2万2000個のケースや折りたたみコンテナ(オリコン)を収納できる。
高速自動仕分け機「リニソート」も最新版へと更新し、効率的で高精度な仕分け体制を構築した。機械が商品に貼付されたバーコードを自動で読み取り、178店舗分の仕分けを同時に行って、1時間あたり最大1万3000個の商品を処理する。
また、「T-carryシステム&シャッターアソートシステム」はAGVがピッキング済みの商品を作業者の元まで自動搬送し、シャッター式のアソート装置(SAS)で180店舗分の仕分けを実施。38台以上のAGVが9000個の商品をステーションに運ぶことで、現場の作業負担を軽減した。
環境負荷の軽減では、倉庫棟屋上には915枚の太陽光パネルを設置。施設全体の消費電力の15%を自家発電でまかない、年間を通じて150トンのCO2排出量削減を見込んでいる。
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