行政・団体中小企業庁は11日、2024年度における下請代金支払遅延等防止法(下請法)の運用状況について取りまとめた。
同庁および公正取引委員会は、自発的に違反行為を申告しにくいとされる下請事業者に対しプッシュ型で状況を把握したり、同法の違反行為が認められた親事業者に対し違反行為の是正を求めたりするため定期的なオンライン調査を実施している。24年度は親事業者5.5万者、当該事業者と取り引きを行う下請事業者24万者に対して調査を実施。その結果、下請法違反のおそれのある親事業者5801者に対して、是正などを求める注意喚起文書を発出した。
また、下請法違反の可能性がある親事業者に対し立入検査を実施。24年度は703者の親事業者への立ち入り検査を行った結果、1321件の違反行為を確認し、584者に対して改善指導を実施した。このうち1件については公取委に対する措置請求を行い、下請法順守体制の整備に関する「勧告」がなされた。
違反行為の内容としては、禁止行為の違反として支払遅延が189件、下請代金の減額が139件、買いたたきが106件認められ、改善指導の対象となった。なおこの3類型で禁止行為違反の87%を占めている。また買いたたおよび不当な経済上の利益提供要請の改善指導件数は、それぞれ前年度比39%増、33%増となった。さらに義務違反としては書面不備・未交付が541件、書類未保存が152件認められ改善指導対象となっており、手続規定違反の84%を占めた。
24年度に改善報告を提出した親事業者594者のうち201者が、下請事業者4951者に対して減額した下請代金の返還や支払遅延にかかる遅延利息の支払いなど、総額1億5700万円の原状回復を行った。このうち1件は公正取引委員会に対して措置請求を行った事案であり、下請事業者9人に対して6700万円が返還された。また親事業者から下請法違反行為の自発的な申出は16件あり、下請事業者1376者に対し下請代金の減額分の返還など総額5億4400万円の原状回復が行われた。このうち措置請求(勧告)相当事案は7件あり、下請事業者1313者に対し下請代金の減額分の返還など、総額5億4100万円の原状回復が行われた。
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