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CBRE、物流企業の70%が24年問題への対応不十分

2025年6月23日 (月)

調査・データシービーアールイー(CBRE、東京都千代田区)は20日、3月にテナント企業を対象に実施した「2025年CBRE物流施設利用に関するテナント調査」の結果をまとめた。今回の調査では、2024年問題によるトラックドライバーの労働時間規制が物流現場に与える影響について詳細な分析を実施した。

24年問題への取り組み状況については、物流企業・荷主企業それぞれで進展を確認。物流企業で「課題解決策を実施済みで計画通りの成果が出ている」とする回答は過去より増加した。一方、「十分でない」「これから実施」「これから検討」とする企業も物流企業で70%、荷主企業で63%を占めるなど、多くの企業が対策途上であることが判明した。

▲2024年問題対応の実施状況(クリックで拡大、出所:CBRE)

また、物流施設に対する要求スペックは高度化した。作業環境の改善では、空調設備の拡充に加え、ドライバーの待機時間削減に効果的なトラックバースへのニーズが高まった。これらの設備刷新は、雇用維持や輸配送網全体のパフォーマンス向上につながるとの認識だった。また、多様なテナント需要に応えるため、冷凍冷蔵倉庫や危険物倉庫といった特殊仕様の施設への関心も引き続き認められた。

配送拠点については、地方都市・中間地点・物流集積地への新設や再配置を志向する傾向が強く、全体として拠点の大型化や共同配送体制の強化も引き続き重要な課題となった。現拠点の立地や物流拠点の拡張戦略の見直しによって、配送距離の短縮や効率的な在庫配置が進み、ドライバーの拘束時間削減につながった。荷主企業は24年問題に直面し、拠点移転や機械化投資の強化を図った。

物流コスト増大の影響にも回答者の63%が一定の賃料上昇を容認する意向を示した。特に首都圏以外でも賃料水準は上昇傾向を示し、市況動向に理解を示すテナントが増えてきた。

今回の調査結果を踏まえ、同社は24年問題だけでなく、中長期での人材確保、物流拠点ネットワーク拡充、設備刷新、そして配送効率化に向けた投資が今後も不可欠な課題だと示した。輸送網や拠点集積地の再編や、空調やバースなど設備面のグレードアップも25年に向けて進行しており、施設の老朽化対策や、物流コストへの対応もテナント企業が引き続き取り組む現状も明らかになった。

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LOGISTICS TODAY編集部
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