行政・団体国土交通省は25日、日本郵便に対し、一般貨物自動車運送事業の許可を取り消すとともに、3万2000台の軽自動車による事業についても貨物自動車運送事業法に基づく「安全確保命令」を発出した。全国2391局(全3188局の75%)で飲酒確認などを目的に、本来義務付けられている安全確認の点呼が未実施だった今回の不祥事。監査で具体的な違反の実態を把握した同省は、詳細な監査結果を待たず、暫定措置として直ちに全軽自動車の安全体制見直して是正を命じる必要があると判断し、今回の発出となった。
安全確保命令は国交省が重大な法令違反を確認すると出す行政命令。違反事業者に対し事故再発防止策の徹底や運行管理体制の改善など具体的な措置を義務付ける。初回違反で「車両使用停止(60日間)」など厳しい処分と併用。再違反時は事業停止処分も課する。対象車両が郵便物流網の根幹の場合、命令違反が複数で生じると全国的な物流停滞やサービス停止の懸念も残るなど、重い法的効力を持つ行政措置だ。
今回の発出により、厳格な行政監督下での再発防止策の実施を法的に義務付ける。現場では点呼のデジタル化や運転者管理の強化、運行管理責任者への教育体制刷新など抜本的な業務改善を求める。点呼不備など安全管理上の重大違反が認められると初回違反で車両使用停止、その後も命令に従わなければ事業停止・許可取消しといった、順次、厳しい措置が科される。安全確保命令は該当車両・営業所単位で出す。違反累積や悪質性に応じて行政処分が強化されていく仕組みとなる。
日本郵便の千田哲也社長は17日の会見で「確実な点呼の実施を大前提に、全社一丸となって安全運行を徹底し、利用客に迷惑をかけることなくサービス継続に努める」と説明していた。
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