行政・団体今後の上下水道政策のあり方について検討している国土交通省は25日、有識者らでつくる「上下水道政策の基本的なあり方検討会」(委員長・滝沢智東京都立大特任教授)の第1次取りまとめを公表した。今年1月に埼玉県八潮市で発生した大規模な道路陥没事故を受け、強靱で持続可能な上下水道を実現するため、経営の広域化や料金の見直しなど、早急な組織・経営改革を求めた。
同省は、2050年に向けて、強靱で持続的、多様な社会的要請に応える上下水道システムを構築するため、昨年11月に検討会を設置。1月に埼玉県で事故が発生した後は、強靱で持続可能な上下水道を実現するための基盤の強化について先行して議論を進めてきた。
取りまとめでは、「最重要インフラである上下水道の安全・安心を取り戻すため、国は確固たる方針と強い決意を持ち、これまでのあり方にとらわれない改革を強力に推進する必要がある」と指摘。単一市町村による経営にとらわれない経営広域化を国が主導して進めるとともに、各自治体も更新投資を適切に行うとともに、次世代に負担を先送りしないための経営改善や財源確保、適正な受益者負担を改めて考えることが必要だとした。
具体的な施策としては、経営広域化が必要な自治体の規模やエリアなどについて一定の考え方を提示したうえで、経営の広域化を加速するとし、国主導でのロードマップの策定やモデル事業の実施、インセンティブの検討などを挙げた。
また、経営改革では「更新の先送りによる収支均衡から適切な投資・経営計画へのシフトが必要」だとし、料金などの地域格差や適正な水準に関する考え方を提示するほか、更新費用を確保するための制度設計などを求めた。このほか、官民による上下水道の再構築や公費負担のあり方の検討が必要だとしている。
検討会は今後、脱炭素などの社会的要請に関するテーマについて議論を行い、今後10年程度の上下水道政策の方向性について、段階的にとりまとめを行っていく。
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