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運送業景況感、輸送減と価格転嫁難で収益悪化続く

2025年8月20日 (水)

調査・データ全日本トラック協会は18日、トラック運送業界の景況感速報(2025年4-6月期)を公表した。業況判断DIはマイナス20.0と、前回(1-3月期)のマイナス18.7から1.3ポイント悪化した。輸送数量は減少に転じ、燃料価格の高止まりや物価上昇による輸送原価の増加分を十分に価格転嫁できない状況が続き、営業利益・経常利益の悪化が鮮明となった。来期はマイナス21.8へさらに1.8ポイントの悪化が見込まれている。

効率性指標では、実働率がマイナス2.7(前回マイナス1.8)、実車率がマイナス3.1(同マイナス2.7)といずれも低下した。運転者の採用動向はマイナス29.4(マイナス27.6)で悪化し、人材不足感を示す雇用動向は92.5(91.1)に上昇。労働力不足が一段と深刻化している。所定外労働時間はマイナス40.9(マイナス37.3)、経常損益はマイナス24.8(マイナス20.4)と大幅に悪化した。

▲トラック運送業界の景況感(業況判断DI)の推移(クリックで拡大、出所:全日本トラック協会)

一般貨物は輸送数量がマイナス9.9(1.9)と大幅に落ち込み、運賃・料金水準も21.0(34.3)へ低下。営業収入はマイナス5.6(4.3)、営業利益はマイナス35.6(マイナス23.7)と収益悪化が際立った。一方、特積み貨物は輸送数量が10.7(8.1)に改善し、営業収入も7.3(5.4)に増加したが、営業利益はマイナス8.8(マイナス2.7)と依然として利益面では苦戦が続いた。

規模別では、大規模事業者が16.3(16.1)とわずかに改善した一方、中規模はマイナス23.0(マイナス22.6)、小規模はマイナス27.1(マイナス26.6)と悪化が進んだ。品目別では、消費関連貨物がマイナス22.3(マイナス12.8)と大幅に悪化、機械関連貨物もマイナス21.3(マイナス14.3)と落ち込んだ。建設関連はマイナス15.1(マイナス16.7)でやや改善したが、全般的にマイナス圏にとどまる。

全ト協は低迷の要因として、米国の関税政策による事業環境の不透明化、人材不足、物価上昇を挙げた。今後も採用難と収益圧迫が重なり、厳しい経営環境が続く見通しを示している。

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LOGISTICS TODAY編集部
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