サービス・商品Mujin(ムジン、東京都江東区)は3日、6日まで東京ビッグサイト(同)で開催されている「2025国際ロボット展」において、ロボット制御ソフトウエア「MujinOS」を中核とした最新のデジタルツイン対応工場・倉庫ソリューションを再現した巨大ブースを公開した。AGV(無人搬送車)、デパレタイズ・パレタイズロボット、パレットシャトル自動倉庫など25台の産業用ロボットを用いた大規模なライブデモンストレーションで、実稼働さながらの自動化ラインを構築している。
展示の中心となるのは、MujinOSが提供するフィジカル空間とデジタル空間のリアルタイム連携機能である。フィジカルAIプラットフォームにより、ロボット制御にとどまらず、稼働データやエラー履歴、在庫状況などの現場情報を一元管理し、生産性と稼働効率を同時に最適化する仕組みを紹介。また、複雑な自動化ラインが誰でも容易に構築できる様子も実演で示された。また、ブラウザ上でユーザー自身がレイアウトや積載パターンを変更するだけで、ティーチレスに対応する知能単載パレタイザーの稼働も実演された。

▲「知能単載パレタイザー」
展示ブースの目玉の1つは、「MujinOS」プロダクト第1弾として発売したばかりの「知能単載パレタイザー」。ユーザー自身が用途に合わせて短時間でシステム構築が可能で、毎時最大1400ケースに対応する処理能力を誇る。会場では、その場でパレタイズの対象ケースを変更し、それに応じた最適な積み付けを実行する様子も実演。単なる可視化デジタルツインではなく、実行力のあるデジタルツインとして、現場運用とロボット稼働が同期する様子を披露した。
また、「通い箱デパレタイズロボット」には新たにツールチェンジ機能を追加しプラコンに加えて、ダンプラにも対応することを紹介。100種類以上の通い箱に対応する実現場のニーズに即した運用が可能となる。
さらに、最大毎時1000ケースを処理可能な高能力の「マルチピック型パレタイズ・デパレタイズロボット」も初公開。アームの吸着機能は吸着独立知能制御により、より高速で安定した重量ケースの迅速仕分けに対応。デモ稼働ではペットボトル入り段ボールを3ケース同時移動するなど、飲料系重量ケースの仕分け現場での活躍も期待できる。さらに、アームロボットと、独自開発の自動倉庫システム「パレットシャトル」や複数のAGVとのスムーズな連携も実演。複数ロボット稼働が当たり前になる時代の最適化運用を再現した。
同社は前日2日、大型資金調達を発表したばかり。さらに来年には追加の資金調達も予定されている。これにより、展示会で公開したMujinOSをグローバルに展開し、これまでのシステムインテグレーション型ビジネスからさらに一歩踏み込んだユーザー主導による現場効率化のスピードを高める。合わせて発表されたNTTグループとの資本提携は、こうした展開をデータ技術の面から支えるもの。セキュリティーなども含めて安全・安心な自動化現場構築の基盤を固めるという。
同社のCEO取締役、荒瀬勇氏は「ターゲットは米国や欧米。日本の市場で揉まれた世界標準の構築」を見据える。そのためのエンジニア確保なども資金調達を背景に先陣を切って加速するとしており、グローバルにおいても確固たる地位を確立する構えだ。

▲マルチピック型パレタイズ・デパレタイズロボットを中心に、AGV、自動倉庫が連動する様子
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