イベント9月10日に東京ビッグサイト(東京都江東区)で開幕した「国際物流総合展2025 第4回 INNOVATION EXPO」も、12日に最終日を迎えた。数多くのロボットソリューションが出展されるなか、ひときわ大きなブースでダイナミックなデモンストレーションを展開し、多くの来場者の足を止めていたのが、HAI ROBOTICS JAPAN(ハイロボティクスジャパン、埼玉県三芳町)だ。今回、同社が初披露した新型トートロボットシステム「HaiPick Climb(ハイピッククライム)システム」が、その高い処理能力と柔軟性で注目を集めている。
同社ブースでは、主力のACR(自律移動ケースハンドリングロボット)に加え、目玉として「HaiPick Climbシステム」を実演。これまでのACRで培った技術を応用し、より高い処理能力と保管効率を実現した同ソリューションは、ことし3月に発表されたばかり。
「ラックを登ってコンテナを取り出す『HaiClimber』(ハイクライマー)が高速で駆動することで、従来システムに比べて処理能力が大幅に向上しています」。同社の藤崎康彦営業部マネージャーは、新システムの強みをこう語る。具体的には、1000平方メートルのエリアで1時間当たり4000箱のピッキング処理能力を持つという。そのスピーディーな動きは、ECやアパレルなど、多品種少量・高頻度出荷が求められる現場での活躍を十分に予感させるものだった。

▲HAI ROBOTICS JAPANの藤崎康彦氏
また、同システムは最大12メートルの高さまで対応し、ラック幅を85センチに抑えることで、高密度な保管を実現。従来のシステムに比べてラックの設置精度や床の平坦性に対する要件も緩和されており、導入期間の短縮とコスト削減にも貢献する。
ブースを訪れるのは、インターネット通販、文具、日用品、そしてアパレル業界の関係者が多いという。特にアパレル業界は、取扱品の拡縮が激しく、ロボットシステムには高度な拡張性が求められる。「我々のシステムは、ほかの自動倉庫と比べて拡張が容易な点が評価されています。事業規模の変動が激しいアパレル業界のニーズと非常にマッチしている」と藤崎氏は分析する。
同社は、大規模な導入になればなるほど、同等の能力を持つ他社システムに比べてコスト的な優位性も発揮できるとしている。今後は、現在の主戦場である物流現場に加え、半導体など製造業向けのカスタム製品にも力を入れていく方針だ。物流の自動化ニーズがますます高度化・多様化するなか、同社のソリューションは、その有力な選択肢の一つとして存在感を高めていきそうだ。
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