サービス・商品日東工業(愛知県長久手市)は16日、EV(電気自動車)・PHEV(プラグインハイブリッド車)用の中速充電器「Pit-QC(ピット・キューシー)シリーズ」を発売し、受注を開始したと発表した。普通充電器と急速充電器の中間の性能で、急速充電器より価格の安い「ちょうどいい」充電設備だとしている。
EV・PHEV用充電設備には、普通充電器と急速充電器があり、充電時間と費用に大きな差がある。たとえば、40キロワットのバッテリーを充電する場合、普通充電器は12時間以上かかるが、急速充電器は30分以内で完了する。その代わり、価格は普通充電器が15万円から60万円なのに対し、急速充電器は数百万円する。
このため、充電設備を導入する際、「短時間で充電したいが、コスト的に急速充電器は難しい」「急速充電器の設置スペースを確保できない」といった悩みも多い。こうした声に応え、充電速度を普通充電器より速め、費用も急速充電器より抑えた中速充電器を開発した。
▲中速充電器Pit-QCシリーズ使用イメージ(出所:日東工業)
Pit-QCは40キロワットの充電は1.5時間で完了し、価格も交流入力(AC)タイプが198万円、直流入力(DC)が248万円となっている。ほかの設備費用や工事費を加えた導入費用も急速充電器で500万円から1000万円を超えることがあるのに対し、200万円から500万円に抑えられる。ACタイプは商用電源に対応し、DCタイプは太陽光など再生エネルギー電力を交流に変換することなく、そのまま効率よく使用できる。
また、専有面積が0.1平方メートルと設置スペースが小さく、さまざまな場所に設置できる。課金などのサービスに連携が可能な通信機能付タイプは、2026年に発売を予定している。規格は急速充電器の規格(CHAdeMO)に対応しており、充電の際は急速用の充電口に接続する。最新のCHAdeMO規格ver2.0.2でDCに対応した充電器は、世界初となる。
同社は2009年に国内初のケーブル付普通充電スタンドを開発するなど、ケーブル付普通充電器市場では国内トップクラスの累計出荷実績がある。同社はPit-QCについて「基礎充電と目的地(継ぎ足し)充電のどちらにも利用でき、事業所の社有車や運送会社のEV車両など、あらゆるシーンで活用できる」としている。
■「より詳しい情報を知りたい」あるいは「続報を知りたい」場合、下の「もっと知りたい」ボタンを押してください。編集部にてボタンが押された数のみをカウントし、件数の多いものについてはさらに深掘り取材を実施したうえで、詳細記事の掲載を積極的に検討します。
※本記事の関連情報などをお持ちの場合、編集部直通の下記メールアドレスまでご一報いただければ幸いです。弊社では取材源の秘匿を徹底しています。
LOGISTICS TODAY編集部
メール:support@logi-today.com
LOGISTICS TODAYでは、メール会員向けに、朝刊(平日7時)・夕刊(16時)のニュースメールを配信しています。業界の最新動向に加え、物流に関わる方に役立つイベントや注目のサービス情報もお届けします。
ご登録は無料です。確かな情報を、日々の業務にぜひお役立てください。