調査・データ市場調査会社のReport Ocean(レポートオーシャン、東京都中央区)は9月30日、アジア太平洋地域のコントラクトロジスティクス(委託物流)市場は2024年の2589億ドルから、33年までに4103億ドルへと1.5倍の規模にまで拡大するとの予測を公表した。この間の年平均成長率(CAGR)は5.25%を見込んでいる。中国やインド、日本、東南アジア諸国では、自動化倉庫やラストマイル配送システム、スマート在庫管理に多額の投資が行われており、市場の拡大を後押ししている。
レポートによると、アジア太平洋地域でのコントラクトロジスティクス市場は、多国籍物流企業と有力な地域企業による激しい競争が続いており、事業者はサービスの拡充や戦略的提携の推進、デジタル技術を活用した差別化に注力している。今後、数年間で合併・買収が進むほか、コールドチェーン物流、ECフルフィルメント、リバースロジスティクスといった専門的な物流への投資が競争をさらに激化させると予想される。
地域別では、中国は製造インフラと輸出志向型の経済によって、アジア太平洋地域市場で最大のシェアを占めている。また、インドやベトナム、インドネシアは、産業の成長や外国からの投資のほか、物流ハブの開発に向けた政府の取り組みにけん引され、急速に成長している。グローバルな物流事業者と現地企業との戦略的提携によって、これまでサービスが行き届いていなかった地域でも先進的なサービスの普及が進んでいる。
環境対策も市場に影響を及ぼしており、企業はカーボンフットプリント削減のため、省エネ型輸送やグリーン倉庫運営、電気自動車(EV)の導入を進めている。こうした持続可能性への取り組みは規制に対応するだけでなく、環境意識の高い顧客企業の共感も得られている。
同社は「アジア太平洋地域では、工業化の進展、越境貿易の拡大、消費者の嗜好の変化を背景に、同市場が着実に成長していく。企業がサプライチェーンの俊敏性や回復力、持続可能性を優先するなか、委託物流事業者は、効率的で費用対効果が高く、拡張性のある物流を実現するうえで重要な役割を担う可能性が高い」としている。
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