調査・データリサーチ・アンド・マーケット(アイルランド)は7日、市場調査レポート「トラック冷蔵ユニット市場 世界の業界規模、シェア、動向、機会、予測、2020-2030年」を発表した。
同市場の規模は24年に65億3000万ドルと評価され、その後、年平均成長率(CAGR)4.41%で成長し、30年までに84億5000万ドルに達すると予想されている。
市場の成長は、乳製品、肉類、魚介類、医薬品、生鮮食品などの温度管理輸送の需要増加に支えられている。温度に敏感な製品の国際取引が拡大するなか、トラックに搭載される信頼性の高い冷蔵システムへのニーズはますます高まっており、物流企業は高度な冷蔵技術への投資を進めている。さらに、EC(電子商取引)による配達の急増や都市人口の増加により、ラストマイル配送向けのコンパクトで効率的な移動式冷蔵ユニットの需要も拡大している。
技術面では、電気冷蔵システム、太陽光発電ユニット、テレマティクス統合、マルチゾーン温度制御などの革新が市場を変革しており、運用効率の向上や排出量削減、貨物の温度管理の精密化を実現している。さらに、IoT(モノのインターネット)プラットフォームによるリアルタイム監視は貨物の透明性を高め、特に医薬品、花卉、特殊化学品分野では、厳格なコールドチェーン管理が求められることから、新たなビジネスチャンスも生まれている。
一方で、市場には高額な初期投資や運用コストといった課題もある。トラック用冷凍ユニットは高度な冷却技術や断熱材、電源モジュールの統合が必要なため、高額な導入コストが小規模フリートオペレーターにとって大きな障壁となっている。環境に優しいハイブリッド式や電動モデルはさらにコストが高く、支援インフラや財政的インセンティブが限られる地域では導入の妨げとなる場合もある。
主要な市場動向としては、ディーゼル駆動から電動化への移行が加速しており、特に都市部や短距離輸送に適したクリーンで静音性の高い冷蔵ユニットの採用が進んでいる。バッテリー性能の向上や熱管理技術の進歩により、長期的な信頼性と費用対効果も改善されており、CO2排出量の削減を目指す物流企業は、世界的な環境目標に合致する電動車両への投資を進めている。充電インフラの制約などの課題はあるものの、今後も規制当局の支援や企業の持続可能性への取り組みを背景に拡大が見込まれる。
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