行政・団体財務省は9月10日、「急増する少額輸入貨物への対応に関するワーキンググループ」の第2回会合を開き、越境EC(電子商取引)を巡る水際取締りの具体的な方向性を議論した。個人輸入を装った商業取引や、悪質なECプラットフォームを経由した不正輸入の増加を受け、通関・保税事業者やプラットフォーム事業者双方への新たな規制枠組みの必要性をめぐり意見が交わされた。
会合には税関関係者や業界団体、EC事業者などが参加し、オブザーバーとしてアマゾン、楽天、DHL、ヤマト運輸などが出席。通関業者からは「適正な手続きを行う事業者が不正業者と同列に扱われるべきではない」として、信頼度に応じた審査区分の優遇(区分1比率の引き上げ)や、人員・システム導入への補助金制度創設を求める声が上がった。悪質な通関業者への対応として、抜き打ち検査や資格停止、社名公表といった措置を講じるよう求める意見も出た。
一方で、プラットフォーム事業者の責任明確化を目的に、輸入者としての法的定義づけや、MOU(覚書)による情報提供義務化を求める意見が相次いだ。違反事業者に対しては罰金や貨物停止などの制裁措置を設けるべきとの提案もあり、税関の人員体制強化やスマート税関化(API連携による情報共有)の推進を求める声も上がった。
委員からは「越境ECはもはや生活基盤の一部であり、利便性と安全性の両立を図る政策設計が不可欠」との指摘もあった。今後は、少額輸入制度の見直しと並行して、適正な通関業務を支える仕組みや国際的な協力体制の構築が焦点となる。
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