行政・団体自動車部品メーカーのアイシンは17日、同社が計画しているインドでの無段自動変速機(CVT)の生産実証が経済産業省の「グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金」に採択されたと発表した。インドの現地法人に生産設備を設置し、日本と同等の品質を維持しながら低コストでのCVT生産を目指す。
同補助金は、アジアや中東、アフリカ、中南米などのグローバルサウス諸国で大型実証事業を実施する日本企業を支援するもので、地域の市場活性化と日本との経済連携強化を目的としている。
同社は現在、電動自動車(EV)などの主要駆動部品eAxle(イーアクスル)をインドで現地生産しているが、CVTはeAxleと比較して構造が複雑で、現地生産の難易度がより高い。CVT生産計画は、インドの現地法人にとって過去に例のない大規模な先行投資で、投資の回収には長期間かかることが見込まれる。さらに、同社にとってもCVTの海外生産は初めてとなることから、技術的、商業的なリスクを踏まえ、事業化を決断するにあたって慎重な判断が求められている。
そこで、政府から支援を受けて実証事業を迅速に推進し、リスクの低減を図ることにした。支援によって、海外の主要競合企業に先んじて商業化の意思決定を早期に行い、成長市場での日本企業の競争優位性を確保するために不可欠な基盤が確立するとしている。
同社によると、インドでCVTを現地生産することで需要を喚起し、生産量の拡大を図るとともに、日本からの部品輸出による市場拡大や現地での雇用創出も目指す。また、燃費性能に優れたCVTの普及で、自動車のCO2排出量削減に寄与する。
さらに、現地仕入れ先の育成や活用を通じて、現地調達の可能性についても検証を行っていくとしている。
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