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経済安保上の独禁法の考え方を公表、公取委

2025年11月21日 (金)

行政・団体軍事転用可能な技術の流出防止や輸出管理、産業用の重要原材料のサプライチェーン確保など、経済安全保障の重要性が増すなか、公正取引委員会は20日、「経済安全保障に関連した事業者の取組における独占禁止法上の基本的な考え方」と「経済安全保障と独占禁止法に関する事例集」を公表した。経済安保上の独占禁止法の考え方を整理し、企業の懸念を払拭するとともに、経営判断しやすくする狙いがある。

経済安保の観点から、最近は海外企業からの買収提案や技術提供に関する情報交換、重要原材料の共同調達、競争力強化のための事業再編といった企業間連携の推進が求められている。しかし、産業界からは、独禁法のカルテル規制や企業結合規制に抵触するのではないかとの懸念の声も上がっていた。

こうした懸念を払拭し、企業が連携強化に向けた経営判断が迅速にできるよう、公取委は考え方を整理し、周知することにした。また、「事例集」では産業界の声を受けて産業経済省と国土交通省から示された15の想定事例を取り上げ、情報交換、共同行為、企業結合の3つのカテゴリーに分けて、独禁法上の考え方を解説した。

「考え方」では、重要物資の調達途絶が発生した緊急時に、行政機関が事業者に調達数量や調達先などを指示・指導する場合や、事業者の間で調達数量、調達先などの必要な情報に限って情報交換・共有を行い、共同で調達などを行う場合は、原則として独占禁止法上に当たらないとした。

また、造船業など国際競争が激しく、経済安全保障上、重要な製品については、国内で寡占状態でも「研究開発・製造能力を失い、海外に依存することは経済安全保障上のみならず競争力確保の観点からも避けるべきであり、国内企業の統合・合併により維持することが望ましい」として、企業統合や合併を認める方針を示した。

公取委と経産省、国土交通省は、こうした考え方の周知を図るため、来月12日に各省庁の担当者が解説する企業向けのセミナーを経済産業省内の会場とオンラインで開催する。

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