サービス・商品栗林商船は16日、システム開発のALGO ARTIS(アルゴ・アーティス、東京都千代田区)が開発した海運業界向けの配船計画DX(デジタルトランスフォーメーション)システムを導入し、今月から実務運用を開始したと発表した。費用や作業負荷を抑えて導入できる「スモールスタート型DX」として開発され、同社は導入企業の第1号となった。Excel(エクセル)ベースの管理手法をそのまま生かしながら、配船や営業、採算などに関するデータを一元化できる。

(出所:栗林造船)
同社では、これまで営業管理や・配船指示・採算管理に関わるデータをExcelで管理していたが、内容が複雑化し、情報集約に時間がかかるようになっていた。このため、判断をスピードアップするには、リアルタイムに情報を共有できる環境が必要だった。
また、配船計画は担当者の経験に依存しやすく、引き継ぎや新人育成に手間や時間が掛かるという課題もあった。さらに、一般的な配船管理システムは外航向けの仕様が中心で、同社のような小型在来船を使った実務に合う仕組みが見つかりにくく、最新のシステムを導入できずにいた。
こうした課題に対し、ALGO ARTISが開発したシステムは、それまで現場で使用していたExcel構造をそのまま取り込み、1か月から3か月程度で、実際の業務に即したUIを構築できる。Excelを使うため、担当者も新たな操作を一から覚える必要がなく、スムーズに業務の移行ができる。また、導入コストも抑えられる。
システムの導入によって、配船表や貨物予定一覧、動静連絡表、採算管理表、燃料消費実績表など複数のExcelに分散していたデータを一元化できるようになり、転記・照合作業が大幅に削減され、ミスをするリスクも軽減した。
情報共有も容易となり、引き継ぎや教育の効率が向上したほか、業務プロセスの標準化で属人化による弊害も解消した。
また、売上や粗利、稼働率など、経営判断に重要な指標を即時に把握できるようになり、現場で報告書を作成する手間がなくなったほか、現場から経営まで同じデータに基づいた迅速で精度の高い意思決定が可能になった。
栗林商船は「配船計画は事業の根幹を担う重要な業務だが、顧客の要望や同業者との調整で、状況は常に変動する。そうした変化をチーム全体で共有し、意思決定のスピード向上などを図るため、新たなシステムを導入した。今後は船陸通信システムや請求業務との連携も検討し、計画から請求まで一気通貫で管理できる体制を目指す」としている。
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