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スバル、物流本部新設とCLO先行設置で全社視点へ

2026年3月3日 (火)

調査・データ経済産業省のCLO事例集では、法令義務化を待たずに体制整備を進めた企業の動きも紹介されている。自動車大手のSUBARUはその一例だ。2025年4月、物流効率化法の全面施行を前に「物流本部」を新設し、同時にCLO(物流統括管理者)を先行設置。分散していた物流機能を戦略的に集約し、全社視点での改革に踏み出した。

同社は売上高4兆6858億円(2025年3月期連結)、従業員数3万7866人。完成車販売の9割が海外向けで、国内外に生産拠点を持つ。完成車の国内輸送はキャリアカー、輸出はRORO船を活用し、生産部品物流も含め広範な物流網を構築している。

従来は物流機能が製造や営業など各部門に分散していた。部門最適では解けない課題に対応するため、物流企画管理部、完成車物流部、生産部品物流部を束ねる物流本部を新設。機能子会社スバルロジスティクス(群馬県太田市)とも連携し、企画立案と実行を分離する体制を整えた。

CLOには執行役員物流本部長が就任。役割は物流本部の統括にとどまらない。北米販売会社が独自運営する現地物流や補修部品物流、航空宇宙部門の物流まで含め、全体を把握し可視化することが求められる。これまで各部門の勘定科目に分散していた物流費を管理会計上で集約し、全社でいくら使っているのかを把握できる仕組みを構築した。月次で物流費を追い、変化点を分析して改善につなげる。

具体策も動き出している。トヨタ自動車との完成車共同輸送では、1台のキャリアカーに両ブランド車を混載し陸上輸送効率を向上。中京地区の部品輸送では西濃運輸の支店を集荷拠点とする混載輸送を導入し、長距離輸送の効率化を図った。

現場改革の象徴が、自主荷役への転換だ。北本工場でドライバーによる荷下ろしを廃止し、自社のフォークリフトと作業員を配置。荷役時間を削減し、敷地内の車両回転を改善した。自社教育を受けた社員が作業することで安全性も向上。将来的なドライバー不足を見据え、女性やシニアでも従事しやすい環境を整える狙いもある。

課題は、長年の慣行に基づくローカル最適の積み重ねだという。信頼関係のもと任せきりだった領域に横串を通し、プロセスを見直す余地は大きい。物流本部の設置とCLO先行任命は、その起点に過ぎない。

同社は法対応を契機に物流を経営課題として再定義し、データで全体像を捉え直している。固定観念にとらわれず「素人目線」の問いを重ねる姿勢も、全社視点の改革を支える要素となっている。

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LOGISTICS TODAY編集部
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