ロジスティクス米通商代表部(USTR)は2日、強制労働で生産された商品の輸入禁止措置を十分に導入・執行していないとして、日本を含む60の国・地域を対象に、通商法301条に基づく調査結果と対抗措置案を公表した。対象となる国・地域の産品に追加関税を課す案で、輸入事業者や国際物流、通関実務にも影響が及ぶ可能性がある。
USTRは、各国・地域が強制労働品の輸入を禁止し、効果的に執行していないことは不合理で、米国の通商に負担や制限を与えていると判断した。米国企業が強制労働を利用しない形で生産する一方、強制労働由来の商品が低コストで流通すれば、公平な競争条件が損なわれるとの見方を示している。
調査対象は60の国・地域。日本、英国、韓国、台湾、中国、インド、ベトナム、タイ、マレーシア、シンガポール、豪州など54の国・地域については、強制労働品の輸入禁止措置の導入と執行が不十分とした。カナダ、EU、メキシコ、インドネシア、エクアドル、パキスタンの6つの国・地域については、輸入禁止措置の執行が不十分と判断した。
USTRが示した対抗措置案では、対象国・地域の全産品に追加関税を課す。ただし、連邦官報通知の付属書Aで定める例外品目は除く。強制労働品の輸入禁止制度を導入している国・地域や、相互貿易協定で制度導入・執行を約束した国・地域、一部制度を持つ国・地域には10%の追加関税を提案する。それ以外には12.5%の追加関税を提案した。一定量の衣料品・繊維製品について、通常より低い301条関税率で輸入できる仕組みも設ける案としている。
USTRは、意見公募と公聴会の手続きを進める。公聴会での発言希望と証言要旨の提出期限は6月22日、書面意見の提出期限は7月6日。公聴会は7月7日に開く予定だ。
今回の措置案は、米国向け輸出を行う荷主だけでなく、フォワーダー、通関業者、3PLにも確認負担を広げる。原産国、調達先、製造工程、繊維・衣料品の数量枠などの確認が重要になり、輸送契約や在庫配置、関税コストを前提にした米国向けサプライチェーンの見直しを迫る可能性がある。
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