調査・データ経済同友会が13日発表した3月の景気定点観測アンケートによると、足元の景気判断は小幅に悪化し、2026年度前半にかけてさらに低下する見通しが示された。企業は賃上げを継続する姿勢を維持する一方、コスト上昇分の価格転嫁が進まず、収益や投資判断に影響を及ぼしている。
景気の現状判断指数は24.0と前回調査の27.0から低下した。企業の景況感としては「緩やかに拡大している」が過半を占めるものの、その比率は減少し、「緩やかに後退している」とする回答が増加した。さらに26年4-9月の見通しは5.8と大幅な低下が見込まれ、21年9月以来の低水準となる。個人消費の減少を見込む声が多く、需要面の弱さが景気認識を押し下げている。
企業業績では足元に持ち直しの動きもみられる。26年1-3月期の売上高DIは51.2、経常利益DIは32.8といずれも前回から上昇した。ただし4-6月期の予想では、売上高DIは45.0、経常利益DIは24.6へと再び低下が見込まれており、回復の持続性には慎重な見方が広がる。

▲売上高の推移(クリックで拡大、出所:経済同友会)
設備投資は比較的堅調を維持している。26年度の設備投資は「増額」が54.5%と過半を占め、設備投資DIは45.4に上昇した。一方で進捗面では課題も顕在化している。「概ね計画通り」が73.1%と多数を占めるものの、製造業では計画未達の割合が26.3%に達した。遅れの要因としては、コスト増による投資先送り(30.0%)、需要見通しの不透明感(25.0%)、資材・設備調達の困難(15.0%)、人手不足(10.0%)などが挙げられ、供給制約と不確実性が投資行動を左右している。
雇用面では依然として人手不足が続く。全体の42.6%が人員不足と回答し、雇用判断DIはマイナス36.7となった。特に技術者や専門技能人材の不足感が強く、物流分野を含む現場の人材確保難が続いている。
賃上げについては、26年も継続の動きが明確だ。「実施予定」とする企業は89.1%に達し、前年とほぼ同水準を維持した。賃上げ率は「5-6%未満」が最多で、加重平均では4.69%と、製造業・非製造業ともに同水準となった。物価見通しは平均2.89%であり、実質賃上げを意識した動きが続いている。
一方で課題となるのが価格転嫁だ。コスト上昇分の転嫁割合は製造業で45%、非製造業で52%にとどまる。特に労務費に限ると、製造業は34%、非製造業でも49%と低水準にとどまり、賃上げ原資の確保に制約が生じている。製造業では「全く転嫁できていない」または「2割未満」とする回答が半数を占め、サプライチェーン上流の価格交渉力の弱さが浮き彫りとなった。
企業は賃上げと設備投資を継続しつつも、需要の弱さとコスト転嫁の遅れに直面している。中東情勢の長期化など外部環境の不確実性も重なり、景気の先行きには慎重な見方が広がる。
■「より詳しい情報を知りたい」あるいは「続報を知りたい」場合、下の「もっと知りたい」ボタンを押してください。編集部にてボタンが押された数のみをカウントし、件数の多いものについてはさらに深掘り取材を実施したうえで、詳細記事の掲載を積極的に検討します。
※本記事の関連情報などをお持ちの場合、編集部直通の下記メールアドレスまでご一報いただければ幸いです。弊社では取材源の秘匿を徹底しています。
LOGISTICS TODAY編集部
メール:support@logi-today.com
LOGISTICS TODAYでは、メール会員向けに、朝刊(平日7時)・夕刊(16時)のニュースメールを配信しています。業界の最新動向に加え、物流に関わる方に役立つイベントや注目のサービス情報もお届けします。
ご登録は無料です。確かな情報を、日々の業務にぜひお役立てください。




























