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海外展開急ピッチ、英国異形鋼線メーカーも買収

鈴木金属工業、タイ製造拠点が本格稼働を開始

2014年1月22日 (水)

荷主鈴木金属工業は22日、アジア自動車市場向けの製造基盤強化に向け、タイの高級ばね用鋼線設備が本格的な営業運転を開始したと発表した。併せて、英国の異形鋼線メーカーを買収することも決めた。

同社は2011年春にタイ・スペシャル・ワイヤ社(TSW)を子会社化し、高級ばね用鋼線設備の増強工事を段階的に実施。習志野工場から伸線機を移設した ほか、渦流探傷装置(ECT)の増設、伸線機、パテンティング炉の新設など、12年中に設備の設置・試運転を終え、年初から本格的な営業運転を開始した。

途中、大洪水に見舞われたものの、ほぼ当初工期に沿った生産体制が整い、TSWのばね用鋼線の生産は、月300トン増の1400トン体制となる。早期に設備投資効果を発揮し、アジアで二輪向けに加え、四輪向け販売を拡大する。

また、子会社のスズキ・ガルピッタン社が英国の異形鋼線メーカー「KTSワイヤー社」の買収・子会社化を決定。KTSは、英国ウエストヨークシャー州リー ズ市に拠点を置く異形鋼線メーカーで、売上げ規模は年間10億円、自動車用部品やベッド、家電、家庭用品など幅広い用途に向けた特色ある製品を製造し、販 売先も欧州・アフリカ・中近東、北米と広範囲にわたる。

鈴木金属工業は、スズキ・ガルピッタン社ともに異形鋼線の製造・販売を行っており、今後は技術面で3社のシナジー効果や、相互の強みを活かした製造面分担、一体となったマーケッティング・拡販を見込む。

主力のオイルテンパー線、ピアノ線など自動車向けの鋼線だけでなく、他分野向けのハイエンド製品の拡充も目指す。