話題物流業界は今、かつてない変革の波の真っ只中にある。時間外労働の上限規制が適用された「2024年問題」が現実のものとなり、法改正や働き方改革への対応が急務となっている。しかし、展示会に足を運ぶ事業者の多くは、焦りを抱えながらも「何から手をつければいいのかわからない」と口にするという。
物流・運送事業者向けの人材支援やシステム開発を多角的に手がけるX Mile(クロスマイル、東京都新宿区)は、ことしの関西物流展において、ブースのコマ数を昨年の2倍に大幅拡大して出展する。その最大の理由は、自社サービスを売り込むためではない。来場者が抱える漠然とした悩みを解きほぐし、共に最適解を探るための「相談の場(壁打ち)」を広く提供するためだ。

▲X Mile DXソリューション事業本部物流ドメインスペシャリストの砂川勇太氏
同社のDXソリューション事業本部で物流ドメインスペシャリストを務める砂川勇太氏は、自身も2トン車から大型トラックまでを乗り継いできた元ドライバーである。現場の酸いも甘いも知り尽くした同氏の言葉から、X Mileが現在の物流業界に提供する本質的な価値と、展示会にかける思いを紐解く。
近年、運送事業者が抱える課題の筆頭に挙げられるのが「人材不足」だが、その中身は少しずつ変化を見せている。X Mileが展開する人材支援サービス「クロスワーク」を通じても、その変化は顕著に表れているという。
「肌感にはなるが、やはり法整備がされてきたので、企業側がやらなければならないことが純粋に増えている。それを管理する人や責任を持つ人が必要になってくるので、運行管理者や内勤の管理職の方のニーズも高まりつつある」と砂川氏は語る。これまで3人で回していた管理業務が、働き方改革による労働時間の上限設定や休暇の考慮により、4人、5人と必要になるケースが増えているのだ。
また、ドライバーの採用トレンドにも変化の兆しがある。「新しい方、20代の方を入れて免許まで取らせようというところが多くなっている。昔は『免許を取らせてもお金が無駄になる』という考えも根強かったが、今は『免許を取らせて育て、10年、15年と継続して一緒に働いていきたい』と、キャリア形成を見据えて投資する企業が増えている」

▲X Mileのサービスは運送事業者の業務全体を網羅していることが強み。他の領域と絡めながら業務改善を進めることで、シナジーが期待できる
こうした変化の中で、クロスワークの強みがより一層活きている。同サービスは単なる人材紹介にとどまらず、業界に精通したエージェントが就職希望者と企業の双方に深く伴走する。就職後のフォローやキャリア相談にも乗り、中長期的な視点で企業の人材定着をサポートする手厚い体制が、多くの事業者から支持を集めている。
そして驚くべきことに、この人材採用の文脈の延長線上に「M&A」という選択肢が浮上してきていると砂川氏は語る。
砂川氏は「企業によっては、人材採用と同じ文脈でM&Aを考えるケースも散見される。例えば10人面接して5人採用するよりも、M&Aを仕掛けて拠点の認可、車両、そして人材をパッケージで獲得してしまった方が早い、という発想」と説明する。手放す側には経営者の高齢化やコスト高といったやむを得ない事情がある一方で、買い手側にとっては事業規模を効率的に拡大する有効な手段となっているのだ。
X Mileでは徐々にM&A支援サービスの成約事例も積み上がり始めており、今回の関西物流展にはM&Aの事業責任者もブースに常駐するため、具体的な事例を交えながら、より踏み込んだ経営相談を行うことが可能だという。
昨今注目を集める「特定技能外国人」。X Mileのクロスワークももちろん採用支援に力を入れているが、外国人材を受け入れる際に最大の障壁となるのが「教育」と「言葉の壁」だ。砂川氏も「日本語も理解できて、現地の言葉も喋れる管理者を置かないと、この人たちをどう管理するのかという話になってしまう。しかし、そのような通訳もできて管理職の素質もある人材を探すのが一番難しい」と課題の深さを指摘する。
この分厚い壁を打ち破るのが、同社の「マニュアル管理システム」だ。日本語や英語はもちろん、ベトナム語、タイ語、ネパール語など多数の言語に対応している。最大の特徴は、自社で独自の教育カリキュラムを自由に構築できる点だ。スマートフォンなどで撮影した動画を用いたマニュアルとともに、画像やテキストを組み合わせた習得度テストも簡単に作成できる。
例えば、作業の手順を動画で撮影し、それに多言語の字幕や解説をつけて配信する。動画を見た後にテストを行い、合格しなければ次のステップに進めないといった細かな学習フローも管理可能だ。これにより、通訳が常駐していなくても、外国人材が安全かつ正確に業務を習得できる環境を整えることができる。

▲ロジポケマニュアル管理の特徴
このように、人材採用から教育まで幅広いソリューションを持つX Mileだが、システムを導入する際に必ず直面する問題がある。それは「現場の反発」と「ITアレルギー」だ。どれほど優れたシステムを経営層がトップダウンで導入しても、実際に現場で使うドライバーや作業員が使いこなせなければ意味がない。
新たに提供を開始したトラック予約受付システム「ロジポケバース管理」は、この教訓を強烈に意識している。「現場のドライバーが直感的に使いやすいというところを最優先に意識して作っています。見た目や操作感、現場の方の目線で作っているので、『現場の声も尊重したい』という企業に選ばれています」と砂川氏は胸を張る。
この徹底した現場主義の根底には、砂川氏自身のリアルな原体験がある。2トン車での過酷な手積み手降ろしから、大型トラックのハンドルを握る日々まで、物流の最前線で泥臭く働いてきた。
「だからこそ、システム導入においては、現場理解と信頼関係の構築が重要であり、管理者と現場をつなぐ役割を担う人材がいることで、ドライバーの納得感が高まり、定着が進みやすい傾向がある。また、担当者のITリテラシーが高いに越したことはないが、それよりも現場にITへのアレルギーを持たせない働きかけも重要」
X Mileは、多くの運送事業者と向き合うなかで、システム導入における成功パターンと失敗パターンを膨大に蓄積してきた。「どういう流れで進めるとうまくいかないのかというノウハウについては豊富な蓄積がある。我々が伴走し、1対1でしっかりサポートすれば、ITリテラシーに関わらず現場に定着させることは十分に可能」と力強く語る。

▲ロジポケ「バース管理」画面の例。管理はパソコンから、入退場はスマホ、タブレットから直感的に操作が可能
労務管理から勤怠、受発注管理、教育までを網羅した「ロジポケ」をはじめ、教育を補完する「マニュアル管理」、人材支援の「クロスワーク」、そして企業や組織のあり方に関わる「M&A」など、運送業のあらゆるシーンに対応できるサービス群を用意しているのがX Mileの最大の特徴であり強みでもある。一見すると独立したサービスに見えるが、現場の課題は常に複雑に絡み合っている。同社の真の価値は、それらを面で捉え、ワンストップで解決策を提示できることだ。
「入り口はバース予約のご相談だったとしても、話を聞くなかで『これはM&Aも検討した方がいいのでは』となれば、隣にいるM&A担当者にすぐつなぐことも可能。M&Aをするなら求人も出しましょうとクロスワークが動き、外国人材も視野に入れるならマニュアル管理の出番」
それぞれの運送事業者が気になっている1つのことを糸口に、その会社の課題を網羅的に検討・提案ができるのはX Mileならではだ。今年の関西物流展では、まだ何から手をつけていいか分からないという事業者にこそ来てほしいと砂川氏は呼びかける。
「2024年問題がメディアを賑わせ、物流関連2法の改正やトラック新法の成立など、状況がどんどん変わっていくなかで、『なんだか分からないけど、とりあえず何かやらなきゃいけないという危機感だけはある』という相談を受けることがとても増えている。今回のブースはスペースを大きく取り、いつもより人員を多く配置しているので、じっくり相談に乗ることができる。ぜひ、現状の課題を壁打ちするつもりで来てほしい」
会社の現状を整理し、自分たちだけでは見えなかった次の一手を見つける場所。元トラックドライバーと、業界を知り尽くしたプロフェッショナルたちが待つX Mileのブースは、運送業界の未来を明るく切り拓くための「作戦会議室」となるはずだ。
会期:2026年4月8日(水)-10日(金)10時〜17時(最終日は16時まで)
会場:インテックス大阪(大阪市住之江区南港北1-5-102)
来場方法:公式ウェブサイトでの「来場者事前登録」が必要(無料)
https://kansai-logix.com
【X Mile 展示ブース情報】
カテゴリー:物流業務支援
ブース番号:C1-86
























