ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

冷蔵倉庫、在庫高止まりと構造課題が鮮明

2026年4月16日 (木)

調査・データ日本冷蔵倉庫協会が16日にまとめた2025年度事業報告と26年度事業計画によると、冷蔵倉庫業界では物価高と消費低迷を背景に在庫水準の高止まりが続き、需給の停滞が長期化している。特に大都市圏では在庫の滞留が目立ち、出庫の不調が需給バランスの重しとなっている。消費回復のタイミングが当面の焦点となる。

マクロ環境では、賃上げが物価上昇に追いつかず個人消費が弱含むなか、中東情勢の緊迫化に伴うエネルギー不安も重なり、先行き不透明感が強い。冷蔵倉庫は食料インフラとして一定の需要を維持するが、荷動き停滞とコスト上昇が同時に進行し、収益環境は厳しさを増している。

構造課題では、設備老朽化と人手不足が引き続き大きい。業界では1980年代以前に建設された施設の更新需要が顕在化しており、改正物流効率化法に基づく認定制度や税制特例の活用を前提に、建て替えや新設の検討が進む。人材面では、特定技能制度への倉庫作業追加(26年1月)が追い風となるが、受け入れ体制の整備が遅れており、現場実装にはなお時間を要する見通しだ。

環境対応では、冷媒転換の遅れが課題として浮き彫りとなっている。会員事業所の「半数弱」が依然としてフロンを使用しており、26年度も自然冷媒化に向けた補助金として70億円規模が確保された。特に中小事業者を中心に更新投資の加速が求められるが、投資負担や技術対応力の差が普及のボトルネックとなっている。電力コストについても政府補助の影響で変動が続いており、再生可能エネルギーの活用や省エネ設備導入が重要性を増している。

制度面では、60年ぶりとなる標準冷蔵倉庫寄託約款の改正が26年4月に施行され、附帯作業の料金根拠明確化などを通じて価格転嫁を進めやすい制度面の整備が進んだ。加えて、物流効率化法により荷待ち時間削減への関与が求められるなど、倉庫事業者の役割は保管機能から輸送効率化を含むサプライチェーン全体へと広がっている。

26年度の事業計画では、需給動向の継続的な把握▽老朽設備更新の促進▽自然冷媒化の加速▽電力コスト対策▽人材確保と省人化▽コストの適正転嫁──の6項目を柱に据える。具体的には、荷待ち時間の定点観測の継続や、27年2月に予定する業界研修の実施、自然冷媒や省エネ機器に関する技術情報の提供、さらには団体保険制度の運営などを通じ、業界基盤の底上げを図る。

また、外国人材の活用では、制度説明会の開催などを通じて理解促進を進める。災害対応や標準料金の在り方についても検討を進めるとしており、制度整備から現場実装への橋渡しが次の課題となる。

■「より詳しい情報を知りたい」あるいは「続報を知りたい」場合、下の「もっと知りたい」ボタンを押してください。編集部にてボタンが押された数のみをカウントし、件数の多いものについてはさらに深掘り取材を実施したうえで、詳細記事の掲載を積極的に検討します。

※本記事の関連情報などをお持ちの場合、編集部直通の下記メールアドレスまでご一報いただければ幸いです。弊社では取材源の秘匿を徹底しています。

LOGISTICS TODAY編集部
メール:support@logi-today.com

LOGISTICS TODAYでは、メール会員向けに、朝刊(平日7時)・夕刊(16時)のニュースメールを配信しています。業界の最新動向に加え、物流に関わる方に役立つイベントや注目のサービス情報もお届けします。

ご登録は無料です。確かな情報を、日々の業務にぜひお役立てください。