ロジスティクス万国郵便連合(UPU)は19日、郵便ネットワークを活用した貿易円滑化モデル「TradePost」をコートジボワールで開始したと発表した。2025年12月、アビジャンで政府、税関、郵便事業者、西アフリカ各国関係者が参加するワークショップを開催し、初の国家委員会を設置。実装フェーズに移行し、同国は同モデルの初導入国となった。
従来の貿易円滑化はコンテナ輸送を前提としていたが、越境EC(電子商取引)の拡大により小口貨物が急増し、現在は日々大量に発生する小型貨物への対応が求められている。TradePostは郵便網を基盤に、通関、物流、決済、データを統合し、「ワンストップ」での手続き処理を実現する枠組みである。制度と実務を接続し、国境をまたぐ物流の摩擦低減を狙う。
コートジボワールが選定された背景には、ECを成長戦略の中核に据える国家方針がある。高いモバイル普及率と電子決済の浸透に加え、アビジャン港やサンペドロ港を擁する物流拠点としての地位が評価された。一方で、制度面では通関手続きの複雑さや物流機能の不足、情報システム間の連携不全といった課題も残る。
優先課題として、通関手続きの簡素化とデジタル化▽小口貨物やラストマイル配送、返品対応を含む物流機能の強化▽郵便、税関、決済プラットフォーム間のシステム相互接続の改善──が挙げられる。これらは中小企業の越境取引参入を左右する要素でもある。
特に中小企業や女性起業家にとっては、情報不足や高い物流コスト、複雑な通関手続きが大きな障壁となっている。TradePostは、信頼できる取引先の紹介や貿易情報の集約、郵便網を活用した配送・決済機能の提供を通じて、こうした課題の緩和を図る。全国に広がる郵便網は、地方事業者を含めた経済参加の基盤として再評価されている。
UPUは、世界67万局超の郵便ネットワークを貿易インフラとして活用する構想を掲げており、各国政府に対して郵便事業者を貿易政策に組み込むよう求めている。TradePostは、郵便を単なる配送手段から、通関・データ・決済を統合した貿易基盤へと再定義する試みであり、越境EC時代における物流インフラの再設計として他国への波及も見込まれる。

(出所:万国郵便連合)
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