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世界航空貨物需要、中東混乱で地域間に明暗

2026年4月30日 (木)

調査・データ国際航空運送協会(IATA)が29日に発表した3月の航空貨物市場データによると、需要は貨物トンキロ(CTK)ベースで前年比−4.8%と減少した。国際貨物に限ると同−5.5%と落ち込みが大きい。供給力を示す貨物トンキロ(ACTK)も−4.7%と縮小し、需給ともに弱含んだ。

今回の需要減の主因は中東情勢の悪化によるハブ機能の混乱だ。中東地域の需要は前年比−54.3%と大幅に落ち込み、関連する輸送回廊にも影響が波及した。欧州-中東間−57.6%、中東-アジア間は−58.6%と急減しており、従来の幹線ネットワークが寸断された格好となっている。

一方で、全体が弱含むなかでも地域間の格差は拡大している。アジア太平洋は+5.4%、欧州は+2.2%と増加を維持し、アフリカも+7.0%と高い伸びを示した。特にアフリカ-アジア間は+22.6%と9か月連続で拡大し、代替ルートとしての機能を強めている。域内輸送もアジア域内で+7.5%と堅調で、地域内サプライチェーンの重要性が浮き彫りとなった。

外部環境では、世界の鉱工業生産が前年比+3.1%、財貿易が同+8.0%と拡大基調を維持しており、需要の基礎体力自体は底堅い。ただし、ジェット燃料価格は前年比2.1倍と急騰しており、コスト面の圧力は強まっている。

IATAは、足元の減速は中東情勢や春節後の季節要因による一時的な側面が大きいとしつつも、地政学リスクや関税、燃料価格の動向が今後の需給バランスを左右すると指摘する。航空貨物ネットワークは柔軟性を発揮し代替輸送を支えているが、ルート再編とコスト上昇が常態化すれば、輸送リードタイムや運賃への影響は避けられない。物流の現場では、地域分散と輸送モードの最適化を含めた対応が引き続き求められる。

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