ロジスティクスJR貨物関東支社とSustainable Shared Transport(SST、東京都中央区)は11日、フィジカルインターネットセンター(JPIC)が推進する「フィジカルインターネット実現コンソーシアム」内に設置したワーキンググループ(WG)である「モーダルコンビネーションWG」の取り組みについて、マスコミ向けのブリーフィングを行った。4月に開催したキックオフミーティングを経ての進ちょく状況を共有するもので、メインとなる2つの取り組みとして、鉄道コンテナ輸送をパレット単位に広げる「パレットレール便」と、トラック・鉄道を平時から一体運用する「ハイブリッド便」の検討状況を説明した。
同WGは、鉄道コンテナ輸送を再設計し、荷主や物流事業者のリードタイム、運賃負担力、BCP対応力に応じた商品体系を広げるのが狙いだ。物流の2024年問題、26年以降の荷主側対応やトラック新法、運賃の適正原価方式導入を見据え、幹線輸送の安定化とカーボンニュートラル対応を同時に進め、荷主、トラック運送事業者それぞれの課題解決に応えるものとしている。
パレットレール便は、SSTが7日からトライアル運用を始めたレール&トラック型の混載輸送サービス。従来はコンテナ単位での利用が中心だった鉄道輸送を、パレット1枚単位で使えるようにするサービスであり、大口だけではなく中小事業者にも鉄道活用を促す。利用者が東京貨物ターミナル駅、隅田川駅、熊谷貨物ターミナル駅などの積替ステーションに貨物を持ち込み、幹線はJR貨物の鉄道で輸送する。対象区間は、東京・隅田川・熊谷発-新潟貨物ターミナル経由の新潟エリア向けと、東京・隅田川発-南松本駅経由の長野エリア向けの2区間で、料金は新潟方面が1パレットあたり1万2000円、長野方面が1万1500円と、SST社長の高野茂幸氏は「価格面でも選択肢となるサービス」という。出荷当日12時までに予約すれば、翌日午前中から配送可能としている。到着後はSSTのトラックネットワークで配送、オプションで集荷にも対応する。まずは回送鉄道コンテナの空きスペースを活用した運用で検証を深める。
鉄道利用により、CO2排出量はトラック輸送比で11分の1に抑えられるとしており、今後対応が求められる環境貢献による企業価値創出も後押しする。トライアル運用においては荷物の集めやすい東京、関東からの発荷に限られ、JR貨物関東支社管内での運用となるが、帰り荷や長距離などへの拡大に向けてサービスの周知と荷主企業の協力を求めていき、コンテナ輸送の社会インフラ定着を目指す。
JR貨物取締役兼常務執行役員関東支社長の篠部武嗣氏からは、WG取り組みのもう一つの柱として鉄道とトラックのハイブリッド便の制度設計を進めていることが解説された。鉄道利用契約とトラック契約を別々に扱うのではなく、荷主との契約カテゴリとして「トラック鉄道ハイブリッド便」を設け、事業者側が鉄道とトラックをブレンドして運用する構想だ。例えば鉄道とトラックを5対5で組み合わせ、片方が止まった場合でも残る輸送モードで優先貨物を運び続けることが可能となり、非常時の追加手配なども最小化できる。輸送の優先度や許容されるリードタイムによって、プレミアムとスタンダードのようなランク設定も検討する。
まずは、輸送モードの割振りなどをトータルで一元的に運用して最適化できるハイブリッド便モデルとして検証を深める。5月にパイロットモデル案を具体化し、6月からは検証とトライアルを進め10月の実装を目指す。
トラック・鉄道ハイブリッド連携モデルではそのほか、従来契約にBCP特約を付加して鉄道寸断時の物流機能継続を確保するサービスモデルも検証する。将来的には鉄道幹線とトラックのコードシェアや拠点駅の共同運用で、フィジカル、システム両面でのネットワークを一体化する「アライアンス・コードシェア便も並行して検討し、鉄道ネットワークと一体型のよりスムーズな連携サービスモデルを目指す。
なおこの日は、実際に12フィートコンテナへ、荷主の異なる3つのパレットを積み込む運用のデモンストレーションも公開した。

▲パレット単位でコンテナ輸送する「パレットレール便」運用をデモ公開(東京貨物ターミナル駅にて)
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