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全ト協・寺岡会長、適正原価や交付金維持への決意

2026年6月5日 (金)

ロジスティクス全日本トラック協会(全ト協)は4日、都内で第215回理事会を開催した。

最初に挨拶した寺岡洋一会長は、燃料問題、交付金維持、トラック適正化法の3点について語った。燃料価格の高騰と中東情勢に伴う供給不安に対し、3月27日に全国3団体(トラック・タクシー・バス)合同の総決起大会を開催し、政府や公正取引委員会へ強く要望・陳情を行った結果、「備蓄放出や激変緩和措置(助成金)の継続により一定の落ち着きを見せている」と報告。

一方で、公正取引委員会による元売各社のカルテル強制捜査に触れ、「我々が長年にわたり不当に高い軽油を購入させられていた事実に唖然とした」と断固たる監視を求める姿勢を示した。また、4月1日からの軽油暫定税率廃止と、活動原資である「運輸事業振興助成交付金」の5年間維持の法制化について、「坂本克己最高顧問の尽力によるもの」として感謝を表明。5年の期限を見据えた次期制度設計の検討開始を示唆した。

▲全日本トラック協会会長の寺岡洋一氏

さらに、4月から一部施行されたトラック適正化二法に関し、2年後の全面施行に向け、業界の命運を分ける「適正原価」の具体化に向けた対策委員会の審議を月次で開催し加速させる方針を示した。

続いて登壇した国土交通省大臣官房総括審議官の岡野まさ子氏は、「標準的運賃の導入や改正物流法の全面施行など、近年進む制度改正の背景に業界への期待と信頼がある」と言及。先月成立した改正物流効率化法による中継拠点の整備や中継輸送の促進が、ドライバーの労働環境改善や運行効率向上に繋がるとし、積極的な活用を促した。また、5年間延長された交付金について、「財源は毎年度の地方財政措置要求と厳しい財政折衝を経て確保していく必要がある」と説明。各都道府県協会に対し、交付金事業の意義や成果を整理し、エビデンスに基づいて有効活用することを求めた。燃料・石油製品の供給不安や価格転嫁に対しては、「経済産業省や関係機関と連携した目詰まり解消と、荷主団体への積極的な価格転嫁の要請を継続していく」とした。

▲国土交通省大臣官房総括審議官の岡野まさ子氏

同じく国交省道路局長の沓掛敏夫氏は、高速道路の大口・多頻度割引の10%上乗せ措置(実質50%割引)について、「2025年度補正予算での国費補填により1年間の延長を実施している」と報告。西湘南新道路や山陰道の開通に続き、本年度は首都圏中央連絡自動車道(圏央道)・太平松戸-新井IC間の開通を予定しているなど、「ミッシングリンク解消に注力する」との姿勢を示した。さらに、ドライバーの確実な休憩確保のため、サービスエリア・パーキングエリア(PA)における大型車駐車マスの拡充(本年度520マスの増設予定)や、新名神高速道路の茨木千提寺PA(上下線)へのシャワールーム整備計画を明かし、「今後も業界の声に寄り添った使い勝手の良い高速道路の実現に努める」と語った。

▲国交省道路局長の沓掛敏夫氏

議案決議の後に報告された事項では、主要挨拶と連動する重要な施策方針が示された。27年度のトラック関係施策に関する要望(骨子)では、走行距離課税等の新たな負担増への断固反対や税制軽減のほか、NEXCO3社の値上げ動向に対して「適正原価の公表や価格転嫁が途上である中で性急な値上げは慎重であるべき」と牽制する要望が盛り込まれた。

また、国交省によるオイルやアドブルーの供給偏在に対する全国的なヒアリング対応や、全国22か所のトラックステーション(TS)の舗装コンクリート化、テナントの設備負担見直し、外部委託化によるコスト最適化など、老朽化に伴う維持コスト増に備えたTS運営の見直し方針、10年ぶりのネットワーク再評価が決定された。(土屋悟)

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