M&A日本郵船は7月31日、持分法適用関連会社のNSユナイテッド海運に対し、株式公開買い付け(TOB)を実施すると発表した。一般株主などが保有する株式を1株1万600円で取得し、同社を連結子会社化したうえで非公開化する。国内外の競争当局による審査を経て、11月下旬から12月下旬をめどに買い付けを始める予定。NSユナイテッド海運はTOBへの賛同と株主への応募推奨を決議した。
日本郵船は現在、NSユナイテッド海運株式の18.35%を直接保有し、完全子会社の保有分を含めて18.55%を持つ第2位株主。筆頭株主の日本製鉄は33.36%を保有している。TOBでは日本郵船と日本製鉄、NSユナイテッド海運の自己株式を除く全株式を対象とし、買い付け予定数の下限を352万4375株とした。買い付け価格は7月30日の終値7740円に36.95%のプレミアムを加えた水準となる。
TOB成立後、NSユナイテッド海運は日本製鉄が保有する株式の一部を、1株7676円で自社株公開買い付けにより取得する。残る一般株主の株式については株式併合などを通じて整理し、27年4月中旬をめどに株主を日本郵船と日本製鉄の2社に限定する。取引完了後の保有比率は日本郵船が83.33%、日本製鉄が16.67%となる見通しで、NSユナイテッド海運株式は上場廃止となる予定だ。
日本郵船は、ドライバルク事業を中核事業の1つとしており、NSユナイテッド海運が持つ鉄鋼原料輸送の顧客基盤や、外航・内航海運の運航ノウハウを取り込む。両社のドライバルク船隊を組み合わせ、配船効率の向上や燃料、船用品、修繕、保険などの調達コスト削減を図るほか、外航輸送から内航輸送、国内配送、保管までをつなぐ物流サービスの強化を目指す。
脱炭素分野では、メタノールやアンモニアなどを燃料とする次世代船の共同開発、還元鉄や液化CO2、水素など新たな貨物需要の取り込みを想定する。船員不足への対応として、人材の相互活用や国内外拠点への配置最適化も進める考えだ。一方、連結子会社化後の具体的な組織再編や船隊運営の方針は今後詰める。
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