調査・データX Mile(クロスマイル、東京都新宿区)は7日、トラック運送やタクシー、ハイヤーなどのモビリティー業界を対象にしたイラン情勢の影響調査の結果を公表した。中東情勢を背景とする燃料費の上昇を実感している事業者は86.1%に上り、3割超で減便やルート縮小、受注制限など運行・受注面への影響が出ている。燃料高だけでなく、慢性的なドライバー不足や2024年問題への対応が重なり、運行体制と収益確保の両面で負荷が強まっている。
調査は26年4月から5月にかけてインターネットで実施し、トラック運送、タクシー、ハイヤー、その他運輸業の経営・現場担当者294人から回答を得た。統計的な厳密性を担保するものではなく、業界動向を把握するための参考データとしている。
中東情勢に伴う燃料価格への影響については、「既に大きく値上がりしている」が48.3%、「緩やかに値上がりしている」が37.8%で、合計86.1%が燃料費の上昇を感じていた。「近々値上がりする連絡・見込みを受けている」も3.7%あり、燃料コストへの警戒感は続いている。
運行・受注面への影響では、「一部で影響が出ている」が24.8%、「既に減便・ルート縮小・受注制限を実施している」が9.5%だった。合計で34.3%が何らかの影響を受けている計算となる。「検討はしているが未実施」も20.1%あり、燃料価格や国際情勢の推移次第では、運行計画の見直しがさらに広がる可能性がある。
減便やルート縮小、受注制限を実施または検討している事業者に主な要因を尋ねたところ、最も多かったのは「ドライバー不足」で67.5%だった。次いで「中東情勢に伴う燃料費の高騰」が63.8%、「2024年問題」が40.0%となった。燃料費の上昇が直接的な圧迫要因となる一方で、運行を支える人員の不足や労働時間規制への対応が同時に重なり、単独のコスト問題ではなく構造的な運行制約として表れている。
運賃・料金の見直しでは、「転嫁したいが、荷主・顧客との関係で踏み切れない」が27.2%で最多だった。「既に値上げを実施済み、または即座に反映させる予定」は24.8%、「数か月以内に値上げを検討している」は21.4%だった。燃料費や人件費の上昇を背景に価格改定を進める事業者がある一方、荷主や顧客との関係、価格競争を理由に、コスト上昇を十分に転嫁できない事業者も一定数残る。
人員面では、「人手不足が深刻で、採用費を積み増してでも増員が必要」が38.1%で最も多かった。一方、「燃料費・人件費負担が重く、新規採用を抑制せざるを得ない」は12.2%、「賃上げ原資確保のため、採用人数を絞らざるを得ない」は11.6%だった。人材確保の必要性が高まるなかで、燃料費や人件費の増加が採用余力を削る構図も見える。
今回の調査は、イラン情勢による燃料価格への不安が、運送・旅客を含むモビリティー事業者の経営判断に影響している実態を示した。同時に、ドライバー不足や労働時間規制、価格転嫁の難しさといった既存課題が重なり、現場では運行継続と採算維持の両立がより難しくなっている。
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