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貿易DX、必要性認識も提案停滞・未着手が半数

2026年7月14日 (火)

調査・データ双日テックイノベーションは14日、貿易業務に従事する実務担当者や管理職など2060人を対象に実施した調査をまとめた「貿易業務白書2026」を公開した。貿易現場では業務の属人化が根強く、デジタル化やシステム導入の必要性を認識しながら、社内提案や意思決定に結び付けられていない実態が浮かび上がった。

調査は5月21日から25日まで、国内で貿易業務に関わる実務担当者と管理者を対象にインターネットで実施した。有効回答数は2060人。白書では、貿易DX(デジタルトランスフォーメーション)を妨げる要因や、社内で合意形成を進める方法、企業が取り組むべき方向性などを分析している。

貿易業務で発生している属人化の形態を複数回答で尋ねたところ、「特定の担当者しか手順を把握していない」が43.6%で最も多かった。「イレギュラー対応のノウハウが文書化されていない」が42.6%、「引き継ぎ用のマニュアルが存在しない」が35.0%、「判断基準が個人の経験・勘に依存している」が34.7%と続いた。

(クリックで拡大、出所:双日テックイノベーション)

特定の担当者への業務集中に加え、例外処理や取引先ごとのルールが共有されていない状況が目立つ。担当者の異動や退職時に業務継続が難しくなるだけでなく、作業品質のばらつきや確認時間の増加につながる可能性がある。

過去1年以内に貿易業務のデジタル化やシステム導入を社内で提案した経験については、「提案したが、検討中のまま進んでいない」が27.7%で最多だった。「提案したいと思ったが、提案できていない」も23.1%を占め、両者を合わせると50.8%に達した。

一方、「提案し、実現した」は16.4%にとどまり、「提案したが、承認されなかった」は14.2%だった。現場の課題認識が、予算確保や導入判断、業務変更といった具体的な改善活動に十分つながっていないことを示している。

(クリックで拡大、出所:双日テックイノベーション)

デジタル化を進める際の課題では、「現状でも大きな問題なく業務が回っていると判断される」が22.6%で最も多かった。「IT部門との連携・調整が難しい」が22.2%、「どのツールを選べばよいか分からない」が20.7%、「導入を主導・推進する担当者がいない」が18.7%、「投資対効果を説明できない」が17.6%と続いた。

調査結果からは、導入費用だけでなく、現行業務を変える必要性について社内の理解を得ることや、部門間の調整、推進責任者の確保が障壁となっている状況が読み取れる。また、実務担当者、管理職、経営層では、業務を改善したい理由やDXに期待する効果が異なり、役職間の認識差も合意形成を難しくしているという。

貿易取引では、輸出入者、物流事業者、通関業者、金融機関など複数の関係者が書類や情報をやり取りする。紙や表計算ソフト、電子メールを組み合わせた業務が残れば、同じ情報の転記や確認作業が発生しやすい。個別業務を単純に電子化するだけでなく、業務手順や責任範囲を整理し、部門横断で導入目的を共有できるかが今後の焦点となる。

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LOGISTICS TODAY編集部
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