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[第3回 ]老舗重工の知見と革新技術が融合、顧客へ最適なソリューションを提示

IHIと仏EXOTEC、課題解決に向けた「技術」の共鳴

2026年3月27日 (金)

話題日本を代表する重工業界の老舗、IHIグループのIHI物流産業システム(ILM、東京都江東区)と、フランスのユニコーン企業であるEXOTEC(エグゾテック)。一見、対極にあるようにも思える両社を結びつけたのは、単なる代理店という関係を超えた「エンジニアリング思想」への深い共鳴だ 。

ILMは、IHIグループが培ってきた170年の歴史と、物流システムにおける50年の実績を持つ技術集団だ 。一方、エグゾテックが提供する「Skypod」(スカイポッド)は、高い保管効率と出庫能力を両立させる革新的なシステムである 。ILMの関雅美取締役は「単なる代理店ではない」と断言する 。世界で最も要求水準が高いとされる日本の現場に実装するため、ILMは「日本の現場の目」としてQCD(品質・コスト・納期)管理やメンテナンスを一貫して支えている 。

EXOTEC NIHON(東京都千代田区)の立脇竜社長は、「ILMの技術的な裏付けがあるからこそ、安心して提案を任せられる」と全幅の信頼を寄せる 。両社の協力は、ロボットの導入だけに留まらない 。ILMは、スカイポッドの前後の工程に自社実績のある搬送システムや仕分け装置を緻密に組み合わせ、トータルな自動化ラインを構築してシステムを洗練させている 。

▲(左から)IHI物流産業システムの関雅美取締役、EXOTEC NIHONの立脇竜社長

ILMも腕に覚えのあるエンジニアを多く抱える技術集団だ 。同社のエンジニアはスカイポッドを現場に投入するに際し、単にカタログ通りに設置するのではなく、必要に応じて入出庫ポート周辺に独自の搬送・仕分け装置を組み合わせることで、倉庫全体のワークフローを最適化する 。また、日本の現場特有の細かなニーズを的確に吸い上げ、エグゾテック側へフィードバックすることで、システムを日本仕様へと昇華させる役割も担う 。この密な連携こそが、海外製品への導入不安を解消する鍵となっている 。

両社の野心は、倉庫内の自動化に留まるものではない 。関氏は、特定の製品を売ることよりも「物流全体を最適化する」というエンジニアリング思想を重視している 。その先に見据えるのは、倉庫の「中」と「外」のシームレスな結合だ 。

この「結合」の核心は、上流の入荷から出荷までを一つの大きな「流れ」として統合することにある 。具体的には、車両動態管理やETC 2.0と連携し、トラックの到着時刻に合わせたジャストインタイムな出庫を実現する仕組みだ 。トラックの到着予告とマテハンを連動させることで、車両が接車した瞬間に自動で積み込みを開始する「荷待ち・待機ゼロ」のインフラ構築を目指している 。エグゾテックの圧倒的な出庫スピードという「点」の技術を、ILMの全体設計という「線」で繋ぎ、物流網全体を最適化する狙いだ 。

「価値観を合わせて仕事ができる会社は、なかなかない」という関氏の言葉は、物流インフラの未来を共創する「同志」としての決意を物語っている 。エグゾテックにとっては、IHIブランドによる社会実装の加速というメリットがあり、ILMにとっては、革新的なグローバル技術を取り入れることでBtoC領域や卸売業界といった新市場の開拓を推進できるという相乗効果がある 。老舗重工の安定感と気鋭のテック企業のスピード感。この両者が互いの強みを尊重し、補完し合うことで、日本の物流は新たなステージへと進化を遂げようとしている 。

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