
話題「待ち時間が導入前の15分から平均5分、新規客は6倍に増加」。フランスの巨大スーパー、E.Leclerc Seclin(ルクレール・スクラン)は、世界の物流関係者に衝撃を与える数字をたたき出した。これを実現したのはフランスの自動倉庫メーカー、EXOTEC(エグゾテック)の統合的なソリューションだ。
ルクレールのみならず、世界有数の大手衣料企業や日本最大手の家電量販店といったトップランナーが、こぞって「成功のパートナー」として指名するEXOTEC。同社は今、フランス・リールに2万5000平方メートルの新本社「イマジナリウム」を構え、単なるマテハンメーカーの枠を超えた「総合物流インテグレーター」へと完全なる変貌を遂げていることを知っているだろうか。

▲EXOTEC(エクゾテック)のロマン・ムランCEO
2022年にフランス初の産業分野のユニコーン企業となり、25年の年間売上高は3億4000万ドルに達した。この圧倒的な成長を支えるのが、物流を「コスト」から「売上を生む武器」へと変える同社のインテグレーション能力だ。
最新鋭のオフィス環境は世界中から超一級のエンジニアを惹きつけ、欧州、北米、アジア太平洋を「3極」と定めたグローバル戦略を盤石なものにしている。
象徴的な事例が、先述のルクレール・スクランだ。同店はネットで注文した商品を車で受け取りに来る「ドライブスルー型」の店舗。利用者が専用レーンに到着してから商品を受け取るまでの待ち時間は、EXOTECのソリューション導入前は最大15分を要していた。買い物時間を短縮したい利用者のニーズに、手作業のピッキングが追いつかず、この「15分の壁」が成長を阻む深刻なボトルネックとなっていた。
しかしEXOTECが同店舗の物流を効率化することで、利用者の待ち時間はたった5分に短縮された。この「5分以内」という圧倒的な体験価値が、利便性を求める利用者を強力に惹きつけた。一般のスーパーにおける新規客の増加数が週に数人程度とされるなか、同店では当初の週5人から30人へと、6倍もの飛躍的な伸びを見せている。優れた物流機能そのものが、最強の「集客装置」に変わった証拠と言えるだろう。
EXOTECがこれほどまでに支持される理由は、ロボット、コンベア、制御ソフトといったすべての周辺設備を自社で内製・統合し、倉庫全体のパフォーマンスに全責任を持つ「自前主義」の姿勢にある。自社開発のコンベア「Skypath」(スカイパス)や制御ソフト「Deepsky」(ディープスカイ)を駆使することで、外部ベンダーの制約を受けない迅速な現場構築を実現。単なるスペック競争ではなく、導入後の保守や将来の拡張性を含めた「負けない選択」として、変化の激しい物流現場で選ばれ続けている。
この世界基準の革新を、日本市場で誰よりも早く「物流の未来だ」と直感した人物がいる。次号では、元顧客としてシステムの真価を知り尽くし、現在はEXOTEC NIHON(東京都千代田区)を率いる立脇竜氏を直撃する。なぜ彼は産業機器大手のトップという地位を捨て、このユニコーンにキャリアを懸けたのか。その真摯な経営哲学を紐解く。

▲EXOTEC NIHONの立脇竜社長
さらに続く第3回では、170年の歴史を持つIHI物流産業システム(東京都江東区)が同社をパートナーに選んだ「真の理由」を、両社のトップ対談から明らかにする。老舗重工と気鋭のユニコーン、そのエンジニアリング思想の共鳴に迫る。
そして連載の締めくくりとなる第4回では、本稿の冒頭で触れたルクレール・スクランの全貌を詳報する。
圧倒的な実証データと、それを支える自前主義の技術力を徹底解剖。日本の物流インフラを根底から変える、真のパートナーシップの深淵がそこにある。
>>特集EXOTEC第2回
「間違いを恐れるな」仏EXOTECが貫く現場至上主義
>>特集EXOTEC第3回
IHIと仏EXOTEC、課題解決に向けた「技術」の共鳴
>>特集EXOTEC第4回
「顧客の成功が誇り」、仏EXOTECが世界戦略強化
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