ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

東京商工リサーチ調べ

求人難型の人手不足倒産が増加、貨物運送業にも広がり

2014年7月8日 (火)

調査・データ東京商工リサーチは8日、「人手不足」関連倒産が2014年上半期に合わせて137件、「求人難」型が10件判明したと発表した。

企業業績が拡大する一方、人手不足は「職人不足による工事の遅滞や中止」「製造現場での従業員不足による生産の遅れ」「外食産業での営業時間短縮や店舗閉鎖」など幅広い産業に広がり、求人難による倒産も発生している。

同社はこれまでも人手不足関連倒産を集計していたが、主に代表者死亡や入院などによる「後継者難」型、経営幹部や社員の退職に起因した「従業員退職」型が中心だった。最近の人手不足の深刻化に伴い「求人難」型が出始め、14年上半期は後継者難型が121件、従業員退職型が6件、求人難型が10件(前年同期2件)となった。

事業継承の課題が深刻化していることを背景に後継者難が圧倒的に多いものの、求人難型は6月だけで5件発生するなど、「今後の増勢が懸念されている」と指摘した。

最近の倒産では、人件費高騰による負担増から資金繰りが悪化したケースも出ており、人件費の上昇が影響した倒産は上半期累計で10件(前年同期4件)判明した。業種別では、建設業を中心に、自動車貨物運送業やサービス業でも発生。売上(受注)が伸びても、収益アップが伴わない「利益なき繁忙」で苦慮する企業も少なくないことから、同社では「こうした低収益企業は、人手不足や人件費上昇が経営課題の新たな重荷になってきている」と警鐘を鳴らしている。