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1月実績、ゼポ調べ

労使交渉が影響、米国西岸向けコンテナ輸送28%減

2015年2月16日 (月)
労使交渉が影響、米国西岸向けコンテナ輸送28%減

▲アジア10か国・地域発米国向けコンテナ荷動き(出所:ゼポ)

調査・データゼポ(米国ミネアポリス)はこのほどまとめた1月のアジア発米国向け海上コンテナ輸送実績によると、アジア全体の98%を占める主要10か国・地域発のTEUは、好調だった12月から14%減少、前年の1月からは17%減の102万TEUと、11か月ぶりに前年実績を下回った。

労使問題から荷役作業の遅延・混雑が続いている西海岸の状況が影響したとみられ、アジア発西岸向け実績は前年比28%減となった。

米国西岸5港
12月TEUシェア1月TEUシェア前年比前月比
ロサンゼルス
361,43919%273,00817%-25.7%-24.5%
ロングビーチ
296,25016%223,14714%-34.5%-24.7%
シアトル
116,3216%92,5456%-8.2%-6.5%
タコマ
98,9845%91,9146%-26.0%-21.0%
オークランド
75,8934%50,7513%-37.9%-33.1%
西岸港向けTEU合計
970,26652%748,92247%-27.9%-22.8%
アジア10か国発TEU
1,181,18964%1,017,81764%-17.0%-13.8%
世界発米国向けTEU
1,854,055100%1,595,937100%-12.4%-14.0%

米国向け世界合計は、アジア発の大幅減少に対して中米発(-11%)とカナダ発(-5%)がマイナスだったものの、17%のシェアを占める欧州発(+4%)と南米発(+1%)は一桁プラスを維持、全体では前年比12.4%減の159.5万TEUとなった。

アジア発の6割を占める1位の中国発は、前年比20%減と11か月目に前年を下回り、2位の韓国は5%減、3位香港は29%減となった。台湾は34%減と7か月連続のプラスがストップし、16%増のシンガポールと4位を交替し5位に。

7位ベトナムが連続6か月目の23%増、8位マレーシアは連続14か月目の13%増、9位インドは連続18か月目の9%増に対して、10位のタイは先月6か月ぶりにプラス(37.9%)だったのが、再びマイナスとなり、19%減少した。

6位の日本発(直航分)は12月まで11か月続いた前年比プラスが、12月実績から25%も落ち込んだため、前年比は14.6%のマイナスとなった。釜山経由TS分も前年比22%の減少。日本直航分の米国主要港別の荷動きは、12月に比べるとロングビーチ港がほぼ100%の減少でわずか49TEUに、ロサンゼルス港(-20%)、タコマ港(-29%)、オークランド港(-33%)、エバレット港(-35%)、シアトル港(+38%)など西岸は混乱、東岸もサバンナ港(+8%)、ニューヨーク港(+22%)ノーフォーク港(+39%)の増加に対してニュージャージー港(-17%)チャールストン港(-47%)は減少だった。

西岸混雑をうけて、米国発往路の荷動きにも影響が出ており、特に日本輸入トップ品目の肉類(豚肉・牛肉4品目)は11月分から減少しており、重量ベース前年比で11月11%、12月8%の減少、一部の航空貨物分が11月146%、12月53%の増加を示した。ただ、西岸でもロスアンゼルス港、品目でも冷凍牛肉はそれぞれ大幅に増えた。

同社最新データでは1月30日付までの日本輸入3港向けの通関実績は、TEUベースで12月分の8割と減少が続いている。