調査・データゼポ(米国ミネアポリス)はこのほどまとめた1月のアジア発米国向け海上コンテナ輸送実績によると、アジア全体の98%を占める主要10か国・地域発のTEUは、好調だった12月から14%減少、前年の1月からは17%減の102万TEUと、11か月ぶりに前年実績を下回った。
労使問題から荷役作業の遅延・混雑が続いている西海岸の状況が影響したとみられ、アジア発西岸向け実績は前年比28%減となった。
米国西岸5港 | 12月TEU | シェア | 1月TEU | シェア | 前年比 | 前月比 |
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ロサンゼルス | 361,439 | 19% | 273,008 | 17% | -25.7% | -24.5% |
ロングビーチ | 296,250 | 16% | 223,147 | 14% | -34.5% | -24.7% |
シアトル | 116,321 | 6% | 92,545 | 6% | -8.2% | -6.5% |
タコマ | 98,984 | 5% | 91,914 | 6% | -26.0% | -21.0% |
オークランド | 75,893 | 4% | 50,751 | 3% | -37.9% | -33.1% |
西岸港向けTEU合計 | 970,266 | 52% | 748,922 | 47% | -27.9% | -22.8% |
アジア10か国発TEU | 1,181,189 | 64% | 1,017,817 | 64% | -17.0% | -13.8% |
世界発米国向けTEU | 1,854,055 | 100% | 1,595,937 | 100% | -12.4% | -14.0% |
米国向け世界合計は、アジア発の大幅減少に対して中米発(-11%)とカナダ発(-5%)がマイナスだったものの、17%のシェアを占める欧州発(+4%)と南米発(+1%)は一桁プラスを維持、全体では前年比12.4%減の159.5万TEUとなった。
アジア発の6割を占める1位の中国発は、前年比20%減と11か月目に前年を下回り、2位の韓国は5%減、3位香港は29%減となった。台湾は34%減と7か月連続のプラスがストップし、16%増のシンガポールと4位を交替し5位に。
7位ベトナムが連続6か月目の23%増、8位マレーシアは連続14か月目の13%増、9位インドは連続18か月目の9%増に対して、10位のタイは先月6か月ぶりにプラス(37.9%)だったのが、再びマイナスとなり、19%減少した。
6位の日本発(直航分)は12月まで11か月続いた前年比プラスが、12月実績から25%も落ち込んだため、前年比は14.6%のマイナスとなった。釜山経由TS分も前年比22%の減少。日本直航分の米国主要港別の荷動きは、12月に比べるとロングビーチ港がほぼ100%の減少でわずか49TEUに、ロサンゼルス港(-20%)、タコマ港(-29%)、オークランド港(-33%)、エバレット港(-35%)、シアトル港(+38%)など西岸は混乱、東岸もサバンナ港(+8%)、ニューヨーク港(+22%)ノーフォーク港(+39%)の増加に対してニュージャージー港(-17%)チャールストン港(-47%)は減少だった。
西岸混雑をうけて、米国発往路の荷動きにも影響が出ており、特に日本輸入トップ品目の肉類(豚肉・牛肉4品目)は11月分から減少しており、重量ベース前年比で11月11%、12月8%の減少、一部の航空貨物分が11月146%、12月53%の増加を示した。ただ、西岸でもロスアンゼルス港、品目でも冷凍牛肉はそれぞれ大幅に増えた。
同社最新データでは1月30日付までの日本輸入3港向けの通関実績は、TEUベースで12月分の8割と減少が続いている。