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長距離全運行で乗務時間基準違反、全ト協調べ

2015年9月10日 (木)

ロジスティクス全日本トラック協会は、北海道・東北・九州の事業者から収集した35件の長距離運行データを分析し、結果を公表した。分析結果によると、すべての運行データで「何らかの改善基準告示の未順守(違反)」がみられた。

分析対象データの1回の運行日数は4日が12件で最も多く、車両は最大積載量14トンが多かった。デジタルタコグラフ(デジタコ)の装着率は82.9%、ドライブレコーダー(ドラレコ)は40%だった。

これらの車両を運行していた運転者の拘束時間は1日あたり15.5時間で、改善基準告示の「原則1日13時間以内」を2.5時間超過していた。

すべての運行データで何らかの改善基準告示が未順守となっており、未順守の項目数は少なくとも3件、最大で12件あった。平均は7.2件で、項目としては「連続運転4時間ごとに運転離脱30分未満」が71件と最も多く、「拘束時間16時間超」も64件あった。

全ト協では、さらに踏み込んで調べるため、事業者10者に対するヒアリングと長距離ドライバー232人に対するアンケートを実施。

データ分析とヒアリング、アンケートの結果を踏まえ、「労働時間の規制は、荷主都合による手待ち時間、駐車スペース不足や渋滞などの道路状況などの外的要因により、やむを得ず各種基準を順守できないケースもある」として、行政処分基準の弾力的な運用、長時間労働抑制への取り組み、乗務時間告示の順守違反による「30日間の事業停止処分」の発動要件緩和――などを柱とした提言をまとめた。

■実態調査結果と提言
http://www.jta.or.jp/rodotaisaku/rodoho/rodo_proposal201509.pdf