拠点・施設三井化学は29日、フェノール・チェーン事業を強化するため、大阪工場のプロピレン法IPA(イソプロピルアルコール)プラントを停止し、フェノール・チェーンで生産されるアセトンを原料とするアセトン法IPAプラントの新設を行うと発表した。
これにより、大阪工場では既存の年産2.8万トンの設備を停止し、新たに30億円を投じて年産6万トンの設備を導入する。新設備は2013年4月に営業運転を開始する。
IPAは塗料・インキ分野を中心に使用される基礎的な汎用溶剤で、環境負荷の少ない溶剤として、アジア各国でGDPに連動した需要の伸張が見込まれている。従来の原料であるプロピレンは今後需給のひっ迫が想定されており、「不安定な供給、価格の影響を受けざるを得ない状況」だとして、独自開発した高活性触媒を使用した「アセトン法」へ転換することを決めたもの。
これにより、プロピレンの需給の影響を受けず、IPAを国内、アジア市場に安定的に供給する体制を構築することが可能となる、としている。