荷主積水化学工業は8日、高機能プラスチックスカンパニーが自動車のフロントガラス全面に文字や図を表示可能な「合わせガラス用中間膜」の基礎技術を確立した、と発表した。
同社は自動車向け合わせガラス用中間膜のトップメーカーとして、HUDシステムに対応した「楔(くさび)形中間膜」を2008年に発売。この中間膜を利用した現行のHUDシステムは、フロントガラスの限られた部分だけに映像を投影できる仕組みで、表示できる情報量が限られている。
開発中の自発光中間膜は、より多くの情報を表示するニーズに対応するもので、自発光中間膜に含有する発光材料が、車内に設置するプロジェクターから特殊なレーザー光を照射されることで発光し、文字や画像を表示する。表示物は全角度から視認でき、運転席以外の席からも見ることができる。
同社は2018年の上市を目指し、開発を進めることにしており、自動車向けだけでなく、将来的には建築物のガラスなどを含めた多用途展開を図る考え。