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15年度上期の内航輸送量が2.6%減少、内航総連調べ

2016年2月17日 (水)

調査・データ日本内航海運組合総連合会(内航総連)がまとめた2015年度上期の内航輸送実績は、前年同期実績を2.6%下回り、1億9443万7000トン(kl)となった。貨物船による輸送量は4.3%減の1億2412万2000トン。

鋼材は、自動車をはじめとした製造業向けや公共工事の減速から土木用を中心とする建設の需要が鈍く8.3%減少となった。原料は主力の石炭石はセメントの需要の落ち込みに伴う出荷不振で3.8%減少した。

燃料は5.6%増加。石炭は原発不稼働に伴う火力発電所向けの需要があったほか、西日本地区のLNG発電所のトラブルによる一時的な増加もあった。紙・パルプは6.7%減少。荷主メーカーの在庫調整が進展せず、生産調整が続いている。新聞用紙の販売不振などにより輸送量は低迷。

雑貨はエルニーニョ現象による九州地方の長梅雨、西日本地区の冷夏など平年よりも気温が低く推移し、梅雨明け後も気温が上がった日数が限られた結果、飲料や家電製品をはじめとする消費財の落ち込みがあった反面、8月に起きたフェリーの火災事故により、貨物の輸送を増便で対応したことで1.4%増加となった。

自動車は、3.8%減少。14年の消費税増税の駆け込み需要後の低迷があった。また、15年4月から軽自動車税が増税となったため駆け込み需要があったが、その後は販売台数が減少し続けたことが輸送量の減少に影響している。

セメントは公共工事などの不振から西日本地区を中心とする過剰在庫の影響で6.2%減少。このほか、穀物・肥料・飼料は9%減少、機械・プラントが17.4%減、砂・砂利・石材が14.6%減となった。

油送船による輸送量は0.5%増加の7031万5000トン(kl)となり、白油が1.2%増、ケミカルが4.5%増、特タン船が5%増加した一方、黒油が3.6%減、油脂が1.1%減少した。

黒油は西日本地区のLNG発電所のトラブルで増加した局面もあったが、電力需要の伸び悩みやLNG・石炭・水力発電などの他燃料へのシフト、夏季の低温、原発の再稼働があり減少となった。白油は転送需要が輸送量を下支えした。

ガソリンは価格の下落により国内販売量が14年よりも増加している。ケミカルは内需を背景にした市況の好転や円安による輸出の増加があった。特タン船はLPG、塩ビモノマー、エチレン、アスファルト、苛性ソーダの増加があった。ケミカルと同様に円安による好調な輸出が輸送にプラスとなった。