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JICA、ルワンダの陸上輸送事業改善へ円借款供与

2016年7月14日 (木)
(出所:国際協力機構)

▲署名式の様子(出所:国際協力機構)

国際国際協力機構(JICA)は13日、ルワンダの陸上輸送事情を改善し、周辺国との物流活性化に寄与する「ルスモ-カヨンザ区間道路改良事業」を支援するため、68億8900万円を限度とする円借款貸付契約に調印した。

同国の物流の要衝で、タンザニアを経てダルエスサラーム港に至る「中央回廊」に位置付けられるルスモ-カヨンザ区間道路の改修、拡幅を支援し、陸上輸送の円滑化と輸送コストの低減、周辺国との物流の活性化につなげる。

ルワンダは、GDP成長率が7%を超えるなど経済成長が目覚ましく「アフリカの奇跡」とも言われる一方、内陸国のため陸上運輸交通手段が道路のみで、陸路を経由して外洋へ出るためにはウガンダを経てケニアのモンバサ港に出る北部回廊か、中央回廊を利用する必要がある。

例えば、ルワンダから最も近いダルエスサラーム港まで輸送するためには、首都キガリ市から中央回廊を利用して1400キロの距離を移動しなければならないため、同国からの輸送コストはかなり高く、輸入、輸出品の原価に占める輸送費は40%に上る。これは、近隣のケニアの12%と比較しても高い割合で、経済開発を促進する上で大きな課題となっている。

そこでJICAは、ルワンダの物流改善に貢献するため、無償資金協力事業「ルスモ国際橋、国境手続円滑化施設整備計画」に沿ってタンザニアとの国境に新橋と「国境手続き円滑化のための施設」(ワンストップボーダーポスト=OSBP)を建設し、3月1日から運用を開始。

さらに、技術協力(東部アフリカ地域における国際貿易円滑化のための能力向上プロジェクト)を通じ、同国を含む東アフリカ5か国でOSBP施設の運用能力向上に向けた支援を行い、中央回廊を経由したルワンダへの流通網が大きく改善しているほか、国境通過車両の通行規制の緩和、越境手続きの円滑化が期待されている。

今回の円借款事業でルスモ-カヨンザ区間道路の改修・拡幅を支援することにより、すでに実施したこれら事業と相乗効果を生み出し、タンザニア、ブルンジやコンゴ民主共和国など近隣国を含めた「中央回廊域内経済」の発展を目指す。

アフリカ開発銀行(AfDB)との協調融資とし、円借款の貸付資金はルスモ-カヨンザ区間(92キロ)の道路改修・拡幅、コンサルティングサービスに必要な費用に充てられる。