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首都圏の賃貸物流施設、低い空室率維持

2012年10月22日 (月)

ECシービーアールイー(CBRE、東京都港区)は22日、首都圏、近畿圏の大型マルチテナント型物流施設の市場動向(2012年第3四半期)を発表した。

首都圏の空室率が4.6%と5期振りに上昇したものの、依然低水準を維持したほか、近畿圏は新規物件の空室消化が進み空室率が1.9%に大幅改善、既存物件は100%稼働が続く。

また、堅調な需要から大型優良物流施設の品薄感が鮮明となり、ひっ迫した需給バランスは継続している。

第3四半期の首都圏の空室率は、今期竣工物件の1棟が空室を抱えて稼働したことや、まとまった面積の短期契約の終了などにより、5期振りに上昇し、4.6%となった。

しかし、3期連続で5%を切る低水準を依然維持しており、既存物件空室率も3.2%と低い状態が続いている。

堅調な需要を背景に、大型施設の品薄感が鮮明な状態は継続しており、まとまった空室は希少となることから、好立地にあるものは賃料水準もすでに上昇に転じている。

今期は、前期に続きインターネット通販、食品、アパレルなどの業務拡大、エリアの見直しを含めたコスト削減の動きが目立った。

また、震災後のBCP対策の見直しにより、湾岸部から内陸部を移転先として本格的に検討する企業が見られ始めている。

近畿圏では、前期に竣工した大型案件の空室が今期順調に消化され、空室率は、前期の8.8%から1.9%へ大幅に改善。

さらなる引き合いも多く、早期の空室消化が期待されている。また、既存物件では100%稼働が3期連続で継続している。

CBREインダストリアル営業本部の田口淳一・マネージングディレクターは「首都圏、近畿圏ともに、大型優良物件に対する堅調な需要と品薄な状況が続いており、東京のそうした物件の一部では賃料の上昇傾向も見られる。2013年Q2以降は供給が増えることが想定されるが、供給予定物件のリーシングは、08年の大量供給時に比較すると順調に進んでいる」と分析している。