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三菱商事、ブラジル穀物企業に資本参加、供給力強化

2012年1月30日 (月)

ロジスティクス三菱商事は27日、ブラジル穀物商のロス・グロボ・セアグロ・ド・ブラジル(セアグロ社)が実施する第3者割当増資に応じ、約35億円を投じて同社株式の20%を取得するとともに、セアグロ社が集荷する穀物の優先購買権を獲得することで合意したと発表した。

 

セアグロ社は、1994年にブラジル北部で穀物事業を開始し、2008年には同地域での事業強化を狙いロス・グロボグループと資本提携を行った。さらに10年にはブラジル中部を拠点としていたロス・グロボ・セントラル社と合併し、同国中部にも進出することで、今後穀物生産の増加が見込まれる北部と、穀物主要生産・集荷エリアである中部との両エリアにまたがる事業を展開している。

 

また、現在約60万トンの穀物保管倉庫を運営し、農家が必要とする農業コンサルティング、種子・肥料などの販売、穀物買取・保管などのサービスを一括で提供することにより、地域に根付いた農家ネットワークを形成、独自の集荷網を確立している。08年からは企業型穀物生産事業に参入し、同業他社との差別化を図り、大豆を中心に年間約100万トンの穀物集荷・取扱規模を持っている。

 

三菱商事は、米国・豪州を中心とする上流の原料調達から日本を中心とするアジア広域の小売に至るサプライチェーンを軸として、30年以上にわたり穀物の安定供給体制の確保に取組んでおり、昨年6月には中国最大の食料関連国有企業であるCOFCO社との間で年間最大500万トンの大豆供給基本契約を締結。

 

15年には、日本・中国の顧客向けを中心に、2000万トン規模の穀物を取扱うことを想定していることから、北南米での安定調達体制を強化する。今回のセアグロ社への出資は、拡大するアジアの需要に対して、北米に続く新しい穀物供給地域である南米での拠点を確保するもので、今後、セアグロ社に対し取締役を含む複数の人員を派遣し、同拠点を強化していく。

 

同社では「ブラジルと中国の成長を取り込むことで、三菱商事の穀物調達体制とアジア広域に展開する需要基盤を更に強固なものにしていく」としている。