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トラックの不法無線局巧妙化、荷台をアンテナにした運転手摘発

2016年11月10日 (木)
不法無線開設のトラック運転手、取締り逃れのボディアンテナ
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行政・団体スマートフォンやインターネットの普及とともに減少傾向にある不法無線局の開設事案だが、テクノロジーの発展によって、発覚しにくくなっているようだ。
九州総合通信局の発表によると、9日、大分県警宇佐署と同局が共同で実施した取り締まりで、バン型トラックの荷台部分をアンテナとした「ボディアンテナ」と呼ばれる「巧妙で悪質」(九州総合通信局)な不法市民ラジオを開設していた福岡県宮若市在住の男性(48)が電波法違反の疑いで摘発された。

通常の取り締まりは、車両に設置された「アンテナ」を目視で確認し、警察官が取り締まり場所に車両を誘導して設置の有無を確認するケースが多いが、今回の事案のように荷台そのものをアンテナ化してしまうと、取締担当者が見た目で不法無線局の開設を判別できなくなってしまうという。

九州総合通信局でボディアンテナを摘発したのは、2012年に発覚した初事例に続いて2件目だが、「見た目で判別できないため、実際にはもっと蔓延している可能性がある」(電波監理部調査課)。

CB今回、摘発することができたのは、過去に同局が「移動監視」によって不法電波を発射しているトラックを見つけ、その後、数回にわたって不法電波を発射していることを確認できたのが大きな要因となった。確認後、同局は宇佐署に状況説明と協力要請を行い、8日、無線機などを押収するとともに、被疑者を摘発した。

不法無線局の開設は、電波法で「1年以下の懲役又は百万円以下の罰金」を科すことが定められているが、社会的な被害としても「出力を上げて走行しているため、通行ルート付近のパソコンが応答しなくなるフリーズ現象が発生したり、電気ストーブの電源スイッチが勝手に作動し、火災につながったりしたケースがある」という。

不法無線開設のトラック運転手、取締り逃れのボディアンテナ2

(画像:九州総合通信局)