凸版印刷、ワインの不正穴開け検知するICタグ販売

サービス・商品凸版印刷は12日、ワインのコルク栓引き抜きや不正な穴開けを検知できるICタグ「コルクタグ」を開発したと発表した。偽造ワインや不正な詰め替えからブランドを守るための用途を想定し、国内外の高級ワイン醸造メーカーに向け、1月中旬から本格販売を開始する。

コルクタグは、ワインのコルク栓を外側から覆うラベル形状のNFC対応ICタグで、アンテナ回路とは別に上面・側面にそれぞれ断線を検知する回路を持っているため、コルクの引き抜きだけでなく、上部に針で小さな穴を開けただけで開栓を検知し、その履歴をICチップ内に記録する。

通常、ICタグはアンテナ回路が断線すると破損して通信ができなくなるが、検知回路が断線した後もICタグとして機能する特殊ICチップを採用したほか、NFCに対応していることからスマートフォンでも製品の開栓・未開栓を確認できる。また、消費者が開栓した後にも、スマートフォンでICタグを読み取ることで、産地情報の提供やキャンペーンウェブサイトへの誘導が可能なため、マーケティングに活用しやすいという特徴を持つ。

本格販売に先立ち、認証セキュリティ事業を手がけるベルギーのセリンコ社と共同で開発したブランドプロテクションシステムとして、フランス・ブルゴーニュ地方の高級ワインメーカー「ドメーヌ・エマニュエル・ルジェ」で採用。2016年12月から段階的に出荷されている。

価格は30万ロットの場合で1枚90円。今後は高級ワインを取り扱うワインメーカーに向けて拡販し、18年度に50社からの採用を目指す。