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需要に即応する流通体制構築

大日本印刷、出版社・取次・書店と物流連携

2018年2月1日 (木)

荷主大日本印刷(DNP)は1日、同社グループの丸善CHIホールディングスと連携して、書店のPOSなどのデータ分析にAIを活用し、需要を予測することで、読者のニーズに柔軟に対応する書籍の流通体制を構築した、と発表した。

書籍流通センター(SRC)と書店在庫、出版社倉庫を連携させ、読者に書籍を届けるスピードを高めるもので、柔軟さに優れる物流体制と、読者の需要に合わせることで返品や在庫の削減を目指す製造体制を組み合わせた。

またDNPグループ書店だけでなく、協力書店のPOSデータなども活用することで、より精度の高い需要予測を行う。この需要予測と出版社や書店からの注文情報を組み合わせ、1部から大部数の増刷まで、需要に応じた製造を実現。協力企業を含めた適地生産も進めることで、短期間の製造を可能とし、店頭に在庫がない場合でも、読者にすばやく届けるサービスを目指す。

物流では、出版社から書店への直接納品、増刷・製造した書籍の一部をSRCから書店へ直接発送するなど、読者の要望に合わせて対応する。従来のような全国同一商品・同一販売だけでなく、読者の需要に応じた書店ごとに特徴のある商品を調達できるようにする。

これらにより、読者は最寄りの書店やECサイトなどの希望する流通チャネルですばやく欲しい書籍を入手できるようになる。出版社にとっては、読者の需要への対応で的確さを高め、書籍を長期間販売できるようになる。書店は店舗の欠品防止、在庫がない書籍の販売につなげることで、販売機会の損失を抑えるとともに、特徴ある店づくりによって読者の満足度を高めることが可能になる。

大日本印刷は、書籍の柔軟な製造体制と独自の流通倉庫であるSRCを核に、ほかの流通倉庫との連携を拡大していく計画で、丸善ジュンク堂、丸善雄松堂、図書館流通センターなどのグループ会社、出版流通イノベーションジャパン、その他の書店、出版社とも協力し、出版物の品揃え強化、業界の収益性改善、業務プロセスの時間短縮などに取り組む。