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日通、3年かけドライバー点呼の自動化研究

2018年6月27日 (水)

ロジスティクス日本通運は27日、運行管理者が行う点呼に自動化技術を導入し、点呼の精度を向上させつつ業務の省力化を図るための研究を3年間かけて行うと発表した。

国土交通省の交通運輸技術開発推進制度に「機械化技術の採用による点呼精度向上の研究」をテーマとして応募し、6月1日に採択された。研究はNTTドコモ、東海電子、有識者・学識者の協力を得て進める。

具体的には、免許証などの所持品や健康状態の確認、アルコールチェック、運行指示などを行う「自動点呼機」を試作し、実際の業務で使用して効果を検証。有識者の意見を踏まえ、運行の可否判断に必要な健康管理上の項目や基準値を検討する。研究成果は、日通だけでなく多くの事業者が活用できる仕組みを構築する。

運送業では乗務前点呼・乗務後点呼をドライバーごとに異なる時間帯で行うため、事業者は多くの時間・労力を費やしており、所属するドライバーが多く、複数の運行管理者がいるような営業所では、個々のドライバーの既往症や健康管理の状況、前日の運行状態、健康状態などの情報を引き継ぎにくいといった課題を抱えている。

同社では「運行中のドライバーが体調を崩すことに起因した事故は、残念ながら乗務前点呼の精度を向上させるだけでは、すべての事故を防止することはできない。将来的には事故をなくすという観点から、事業者が運行中のドライバーの体調をどのようにモニタリングしていくのか、車両側で持つ車両のコンディションに関するデータをどのように事業者が活用できるかなどの課題を解決するため、本研究が今後の運行管理の手法の高度化につながるように取り組む」としている。