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荏原製に59億円賠償命令、ヤマトの主張認め

2018年6月28日 (木)

拠点・施設ヤマトホールディングスは28日、傘下のヤマト運輸が荏原製作所に対し提起した損害賠償請求訴訟について、同日、東京高等裁判所で第二審判決の言い渡しがあったと発表した。東京高裁は荏原製作所に59億円と遅延損害金を支払う判決を下した。

ヤマト運輸は、荏原製作所から購入した土地の中に石綿(アスベスト)が混入している事実が判明したことから、85億509万5193円と遅延損害金を請求していた。東京高裁は、ヤマト運輸の請求を一部認容し、荏原製作所がヤマト運輸に対し、59億5278万3219円とこれに対する遅延損害金を支払うよう判決を下した。

2007年12月25日、ヤマト運輸は荏原製作所から東京都大田区羽田旭町所在の土地を購入する売買契約を締結し、新物流ターミナルの建設を進めていた。

ところが、荏原製作所が使用していた旧建物の解体工事が完了した後の11年1月、同土地の表面と地中に、アスベストを含有するスレート片が広範囲にわたって多数混入しているという事実が判明した。

ヤマト運輸は、人体に害を及ぼすリスクのある石綿含有スレート片を全量撤去した後、この混入は売買契約上の瑕疵に該当するものと判断し、荏原製作所に対し、アスベスト含有スレート片の撤去費用などの負担を求めた。

しかし、荏原製作所はその負担を拒絶したため、12年3月28日に東京地方裁判所に損害賠償請求訴訟を提起。16年4月28日、東京地方裁判所は、ヤマト運輸の請求を一部認め、荏原製作所に対して56億1812万4016円と遅延損害金の支払いを命じる判決を言い渡したものの、ヤマト運輸はこの判決を不服として東京高裁に控訴し、争っていた。

ヤマトホールディングスでは「請求すべてが認められたわけではないので、判決内容を加味して今後の対応を決めたい」としている。