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常石造船、TESSシリーズ最大船型のばら積貨物船進水

2018年11月2日 (金)
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荷主常石造船(広島県福山市)は2日、アグリトランスシッピング社向けに建造中の載貨重量9万9990トン型ばら積み貨物船「TESS999」(テス トリプルナイン)の1番船「AGTR AMBITION」を、同社グループの常石集団(舟山)造船(中国浙江省)で進水したと発表した。

同船は、2008年に開発したポストパナマックスバルカー「TESS98」の後継船で、低燃費、高い汎用性を追求した「TESS」シリーズの最大船型。

従来型のTESS98で評価された汎用性を保持するため、全長、エア・ドラフトは従来型を踏襲しつつ、船体幅を1メートル広げ39メートルにすることで、より浅喫水に対応した船型となり、従来型と比較して同喫水での載貨重量を4000トン増加させている。

また、TESS98の実運航速力を参考にして船型を最適化したことで優れた運航効率を実現し、特に低速域で高い燃費性能を発揮。同社独自の省エネ技術や最適設計されたプロペラなどを採用し、6%の燃費改善を図っている。

従来型のTESS98は開発当時、ポストパナマックスバルカーでは全長230-235メートル、載貨重量9万トン前後が一般的といわれるなか、全長を240メートルとすることでカテゴリートップの9万8000トンの載貨重量を有し、汎用性を兼ね備えた船型として船主から高い評価を得てきた。後継船となるTESS999は、従来のTESS98の実航路や運航データの分析を踏まえ、最新の省エネ技術や環境規制への対応など、現在の市場ニーズを反映して開発した船型となる。

■「TESS999」の概要
船種:9万9990MTン型ばら積み貨物船
主要寸法:全長240メートル×船幅39メートル×深さ20.05メートル
満載喫水:14.20メートル
載貨重量:9万9990メトリックトン
総トン数:5万5100トン
建造工場:常石集団(舟山)造船