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食中毒発生の旭松食品高森工場、営業禁止解除

2019年10月15日 (火)

事件・事故旭松食品は15日、惣菜からサルモネラ菌が検出され、多くの食中毒患者を発生させ営業禁止処分を受けていた同社高森工場(長野県高森町)の処分が、11日付で解除されたと発表した。

同工場で製造された惣菜を摂取したことにより、11県で101人が下痢や嘔吐の症状を訴えたことを受け、長野県は同工場の惣菜が食中毒の原因だと断定、10月2日に営業を禁止していた。

営業禁止の解除を受け、同社は食中毒の原因が卵由来のサルモネラ属菌であったこと、検出されたのは回収命令に該当するロットの商品のみであったことを明らかにした上で、菌が工場内に存在していた理由について「他商品で使用する卵は加熱処理が前提であったため、未殺菌のものを使用していた」と説明。卵を使用する商品の製造工程から、使用器具などを介して「二次汚染」した可能性が「否定できない」とした。

また回収命令を受けたロット商品の生産場所、生産時間に、卵を使用するほかの商品と並行生産していたことも判明。自主回収した「白和え」商品2品の原料は加熱殺菌を行うが、包装充てん後の加熱殺菌工程は設定していなかった。同工場で製造するほかの商品は、すべて包装充てん後に加熱殺菌する工程が設定されているという。

こうした調査結果から、同社は「他商品に使用する原料卵に混入していたサルモネラ属菌が同一生産場所かつ同一時間に生産した回収命令該当ロット商品に、使用器具などを通して、同商品の加熱殺菌後の原料に二次汚染したもの」と推定。

これを受けてほかの商品で使用する卵を殺菌卵に変更したほか、製造関連の器具備品の管理方法をすべて再点検し、見直しを行った。また卵使用の他商品との生産場所、生産時間を明確に区分、すべての商品に包装充てん後の加熱殺菌工程を設定するとともに、工場従業員に対し、長野県飯田保健所による衛生教育を行った。

今後は製造方法、製造設備の改善を進めてリスクの軽減を図りながら、従業員に対する教育訓練を定期的、継続的に実施するとしている。