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個配の共配化

「コハイのあした」 第4-2回 -取捨選択のポイント

2020年2月6日 (木)

話題個配の現状を物流の浮島から眺めてみれば、以下のような両岸の様子がわかる。
配送者:効率よく/一度で/無理のない配達数/手間に応じたコスト
受領者:都合よく/一度で/変更への対応/条件付きでもよいので安く
想像するまでもなく、双方が一度で完了させたいし、手間を減らして安く抑えたい。つまりは相当部分で利益相反していない。このあたりが解決のヒントだ。

■ 同じ値段なら手間は少なく

配送者と受領者は一度で手間を最小限にとどめて終わらせたい。しかし在宅時間と配送時間の幅やタイミングによってすれ違いが生じてしまう。双方が「あぁめんどうだ」と天を仰ぐ。不在通知は誰もが望まないが、なければ配送完了できない。そこで登場したのが置き配やロッカーや店頭受取だ。が、今一つ浸透速度が上がらないのはなぜなのか?再配依頼と同様に、コンビニや営業所に立ち寄るのは面倒なことがままあるし、駅や商業施設の受取ロッカーには抵抗があったり、玄関先や玄関隣のPSに置いて帰られるのは不安要素が大きいので、品物によっては選択肢から外れる。その都度選べるようになってきているので、受領者が判断すればよいことなのだが、基本的に送り手→受け手という矢印の向きは変わらずに存えている。その矢印に付帯して「面倒くさい」「わざわざ」「変更できない」が常在する。個配利用の頻度が上がり、利用する年齢層も広がる一方であることを考えれば、更なる選択肢の提供を実現したくなる。

■ 受け取り方にはこだわらない

「届けてもらう」と「受け取りに行く」の混在が一定の評価を得ているのだから、もう一歩踏み込んで「近隣の配送専業者」を設置できないだろうか。個配版の小さなモーダルシフトと考えてもらえばいい。全配送業者は定められた小エリアごとに存在する「配所」に個配物を届け、その先は各社が有償委託している配所員が届けたり引き渡したりする。それがコンビニであったり、クリーニング店であったり、スーパーマーケットであるかは地域ごとに異なる。共通する「ルール」を全拠点が順守し、違いは営業時間のみとする。配所は自治会や管理組合と申し合わせや約定を締結し、近隣に見合った対応を旨とする。巡回配送や受領者が来訪して受け取れる仕組みも用意されている。あくまで漠然とした仮想だが、より細やかにしっかりした仕組みやルールは事業者が詰めればよいと思う。

■ 三人に一人は高齢者

若年層や現役の共稼ぎ子育て世代は、既存のサービスでほぼ満たされるだろう。しかし、想定以上に進む高齢化は単身や夫婦単独世帯の増加を伴って、コミュニティ依存型のセーフティネットワークが必要とされるに違いない。行政支援を乞う前に自助努力。これからはそうでなければ何事も進まないだろう。

第4-3回(2月10日公開予定)に続く

「コハイのあした」 第1回 -寡占の終わり
https://www.logi-today.com/361316

「コハイのあした」 第2回 -複合サービス時代の幕明け
https://www.logi-today.com/363678

「コハイのあした」 第3-1回 -さまざまな受領方法
https://www.logi-today.com/364237

「コハイのあした」 第3-2回 -コミュニティ形成の一助として
https://www.logi-today.com/364645

「コハイのあした」 第3-2回 -コミュニティ形成の一助として
https://www.logi-today.com/364645

「コハイのあした」 第3-3回 -モーダルシフトと個配
https://www.logi-today.com/364999

「コハイのあした」 第4-1回 -他業界の事例
https://www.logi-today.com/365049

「コハイのあした」 第4-2回 -取捨選択のポイント
https://www.logi-today.com/365052

「コハイのあした」 第4-3回 -The Players
https://www.logi-today.com/365055

「コハイのあした」 第5回- 見えない波動
https://www.logi-today.com/365940