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サービスからインフラへ

「コハイのあした」 第3-1回 -さまざまな受領方法

2020年1月21日 (火)

話題生活の多様化が及ぼす具体的な影響は何か?個配では「受取」の場面がそれにあたる。「宅配」といわれた玄関での受け渡しは急速に減少しつつある。在宅率、生活時間、受領頻度、などの条件設定から選択できる「基本お届け方法」。受取り方に応じた配送完了の種別こそが、複合サービスの真骨頂となる。

受取場所と受取方法については、もはや出尽くしている感が強い。単なる場所や箇所の指定、さまざまな装置や器具の設置、店舗や営業所などの訪問受取。それらに違和感や不信感を抱く利用者は少ないだろう。なぜならはるか昔から郵便が行ってきたことの発展形に過ぎないからだ。JPが小包と呼ばれた個配物のサービスで先駆ることが順当と思われたが、なぜかネコと飛脚の後追いに甘んじて久しい。山ほどのノウハウや事例を蓄えているはずだが、一向に加工再利用しない。もったいないことこの上ないと思うのは私だけだろうか?

■ 置き配と宅外受取

今現在は各種設置器具を含む自宅玄関まわりへの置き配、配送業者の営業拠点とコンビニを筆頭とする商業施設などが個配物受領の主流となりつつある。販売者と配送者の積極的な啓発と推進効果が寄与しているはずだが、消費者の反応はいまひとつ、というのが実態だろう。安全性や利便性のアンケート調査の結果をもって、大きく舵を切ったというのが広報的建前だった。しかし現実には置き配や施設受取などの「再配達なし」の標準化以外に事業収益モデルの組みようがない、が偽らざるところではないだろうか。

■ 誰も望まない価格競争

法人個人を問わず、出費は少ないほうがいい。しかし生活必需品や公共サービスに求められる第一は安定供給と一定水準の品質保持だ。かつての郵便がそうであったように、今や個配は民間事業者のサービスながらも、その機能と役割はインフラに近い。生活者は漠然とした意識ながらもそれを認知している。郵便が利用できなくなったり切手代が乱高下することなど想像もしないように、個配についてもその感覚があたりまえになるだろう。届かなければ今日と明日の食事の材料に支障が出る。水回りの雑貨品が無くて不自由。洗濯や入浴の洗剤が切れそう。掃除道具のリフィルが残り少ない…すでに自動車運転が叶わず、徒歩や自転車の圏内に買い物できる場所がなく、巡回バスや福祉タクシーの利用頻度に限界がある高齢過疎化地域を想えば、個配機能のインフラ扱いは行政が旗振りして推進すべき公共事業であるのかもしれない。

暮らし方は多様化すれど、人々の求める基本は変わらないはず。買ったものが希望どおりに届き、支障なく着たり使ったり食べたりできる。それだけだ。それだけだが、それが難しくなっている。

―第4回(1月24日公開予定)に続く

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