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個配の共配化

「コハイのあした」 第4-3回 -The Players

2020年2月10日 (月)

話題「コミュニティ形成に支援と協力を」というCSR的発言は耳に心地よいが、企業の好意や協賛には限界がある。そして無理が過ぎれば継続できなくなるという最悪の結末が訪れる。やはり有償サービスとして、もしくは実利に繋がる裏付けある付加サービスとして、個配機能を取り込まなければならないことは自明だ。

■ 顔ぶれは多種多彩

こういう事業スキームについては、物流業界以外の人々のほうが着眼点に優れている気がしてならない。個配をはじめとする運送・配送業務には疎くても、顧客満足やユーザー目線の思考回路という点では秀でた人材がより多いはずだ。既出の新聞販売店やガスや電力の住民サービス部門、新聞以上に廃れた牛乳販売店。いずれも得意な近隣配送のノウハウを活かして個配業務に取り組めそうだ。その他今更ながらだが、生活協同組合のルート細分化と営業拡張のツールとしての個配サービス付加。水道メーターの検針は行政の守備範囲だが、税収以外の事業収益確保には、コミュニティサービスの観点からも個配事業の付加採用は無理がないと考える。都市部よりも人口と税収の減少が著しい地方自治体には好適ではないだろうか。

■ 近隣サービスは楽市楽座

人口の三分の一を占めるようになる高齢者は年金の受給者であり消費の担い手でもある。大多数は勤労納税を終えた身ながら、消費という自治体維持への貢献はできる。その地区で暮らす一員として、それぞれの購買・消費行動をとるだろう。人がいなければ地域社会は成り立たない。自治体の崩壊は国の弱体化への最短ルートだ。人は生きるために食べ、生きがいのために会話や活動を続ける。望まない孤立や孤独は、いき過ぎると命を縮める。生活必需の物資が供給されるためには、その手段が不可欠だ。不採算、ルートが組めない、効率が悪い、頻度と数が少ない。だからその場所には配送できません、という状況を看過放置し続けることなど人道的に許されない。あきらめる前に可能性や割に合う内容を絞り出す努力と工夫が求められている。「高齢者が暮らしやすい街がある。自治体のバックアップと各種補助制度も多いらしい」そんな噂が広まり、その街には域外からの高齢者流入が増加の一途。医療機関誘致や子育て世代への優遇措置、他人ながらも子育て支援の一環としてのジジババによる子守代行サービスなども評判がいい。高齢者が増えたことで若年層の流入人口も増加したのだ。年長の知恵と若年層による高齢者のネットショッピングや生活情報収集のサポートが融和して、自然発生的な世代間交流が深化しながら発展を続けて止まない。そんな夢想をしている。

個配業務を巻き込んで楽市楽座的な環境を自治体と共に創り上げる意義は大きい。人が集まれば知恵も出るし、活力が生まれる。賛同を各企業の行動で示していただければ幸甚の極みだ。

―第5回(2月14日公開予定)に続く

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