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個配の共配化

「コハイのあした」 第4-1回 -他業界の事例

2020年2月3日 (月)

話題今さら書くまでもなく、個配の発展形についてはさまざまな試案が進行している。しかし既存の企業論理や競争などの現実に疎いからこそ思い至る案もあるわけで、それはそれとして検討する価値があるのではないかと思っている。着地する場所は生活者の利便向上と継続的に安定運用できる仕組なのだから、その方法論は活発に出し合って検討すればよい。

■ すでに・以前から・あたりまえ

販路やサービス系統を競合と区分してきた業界が、今やその線引きや垣根を取り払っている事例は少なくない。もちろん依然として「系列」という鉄の掟が存在する業界も数多くある。各業界なりの事情と理由があっての今なのだろうが、その是非の測定基準として万能なのは「ユーザーのためになっているか」ではないだろうか?それは個配にとどまらず物流業界全体にも有効な定規だ。

■ たとえばあの業界では

既存の仕組や提供者側の理屈が市場から否定や無視されるようになったとき。その業界内の地図が変わり、新しい勢力が生まれ、異なる道理がまかり通るようになる。たとえば新聞販売業。ひと昔前は「〇〇新聞」の販売店は本紙と系列のスポーツ紙、もともと専売店が少なく四大紙と喧嘩にならない日本経済新聞ぐらいしか取り扱えなかった。それが今や乗り合いの販売店の存在は珍しくない。「紙媒体・日配・月単位の固定契約」などの要素が世の中の購買基準からずれ始めたことも原因のひとつだったと聞く。新聞は宅配ではなく、ネットで読むか気が向いたときに駅やコンビニで買うもの、がすっかり主流になった。しかしながら誰も一般紙や経済紙、スポーツ紙の存在価値を疑ってはいない。単純に接し方が変わっただけである。それに合わせて折込むチラシ広告も減少した。販売情報はネットのデジタルチラシでみればよいからだ。モバイル端末は宅配の紙媒体を不要にしてしまったが、紙面の掲載内容自体に不備や瑕疵があったわけではない。

■ 決めるのは荷主だが、それを動かすのは消費者

新聞のオリコミチラシは事例としてわかりやすい。チラシ広告の主である事業者は変わることなく店頭販売や訪問サービスに勤しんでいる。変わったのはその告知方法や出会い方だ。新聞に折り込んで情報発信するよりコスト・頻度・即時性・改廃の安易さなどで、WEBを選択するほうが有利であり、ニーズのボリュームゾーンはそこに移った。「新聞との接し方」を「荷物の受け取り方」に置き換えてみれば、着眼の場所が変わってくる。既存の販売店網からではなく、それ以外の方法で以前どおりに記事を読む。同じ理屈を応用して個配物の受領に当てはめても違和感がないはず、はおそらく間違っていないだろう。

第4-2回(2月6日公開予定)に続く

「コハイのあした」 第1回 -寡占の終わり
https://www.logi-today.com/361316

「コハイのあした」 第2回 -複合サービス時代の幕明け
https://www.logi-today.com/363678

「コハイのあした」 第3-1回 -さまざまな受領方法
https://www.logi-today.com/364237

「コハイのあした」 第3-2回 -コミュニティ形成の一助として
https://www.logi-today.com/364645

「コハイのあした」 第3-2回 -コミュニティ形成の一助として
https://www.logi-today.com/364645

「コハイのあした」 第3-3回 -モーダルシフトと個配
https://www.logi-today.com/364999

「コハイのあした」 第4-1回 -他業界の事例
https://www.logi-today.com/365049

「コハイのあした」 第4-2回 -取捨選択のポイント
https://www.logi-today.com/365052

「コハイのあした」 第4-3回 -The Players
https://www.logi-today.com/365055

「コハイのあした」 第5回- 見えない波動
https://www.logi-today.com/365940